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最終更新日:2005/12/10
 
No.002(2003/10/3)

第406回生野町議会定例会一般質問(平成15年9月9日)

質 問 原 稿(全文)

1.合併問題について

いよいよ合併協議会が再開されましたが、名称問題に端を発する休止と和田山町長の病気入院による休止で、合計2ヶ月半にわたる空白が生じました。 この間の遅れを取り戻そうと強行日程で審議が行なわれようとしています。 委員の方々のご苦労には大変なものがあろうかと拝察し、その努力に心から敬意を表します。

しかし、残された問題には多くの重要案件が含まれ、中途半端な審議で終わらせることが出来ないものばかりです。 たとえ、合併期日を遅らせることになっても慎重で、入念な審議がなされるべきであると考えます。

さて、議会としては先に支所機能の充実と合併特例法に基づく地域審議会の設置の要望書を協議会に提出しました。 この要望書の意義は、ご承知の通り、一極集中的な合併を廃し、住民参加の分権型のまちづくりを目指すとともに、合併するそれぞれの地域を寂れさせないようにという目的もあります。 ここに生野町の要望の意図があるわけですが、支所機能の充実と地域審議会の設置の関する町長のご見解をお聞かせください。

私としましては、生野町の主張や要望が他町に妥当な線まで受け入れられて、合併の同意項目となるなら、合併の期日は別にして、現時点で合併もやむをえないかなと考えています。

そこで合併後に目を向けておくことが大切であると思います。 合併前から既に南但8町の合併などが取り沙汰されています。 合併後なによりも大事な問題は、人口と財政の問題でしょう。 人口は「新市まちづくり計画」によると、合併時約3万6千人、平成20年は3万5千人、平成25年には3万4千人となっています。 平成7年と平成12年の国勢調査の4町の結果を私なりに分類すると、別表のようになります。 表を見ると7年から12年の間に、総人口は、生野町では505人減少、和田山町では逆に287人の増加、山東町では159人の減少、朝来町では320人の減少です。 和田山町のみ人口が増加し、その原因は中高年の労働人口の増加にあります。 生野町の減少は会社(企業)の撤収など社会的な原因があるにしても、人口を勘案するとかなり大きな現象になっています。 さらに、平成15年で見ると、生野町127人減少、朝来町267人減少、山東町は増加に転じ118人の増加、和田山町では433人の増加となっています。 合併後もこの傾向が続くと、和田山、山東町の方が栄え、生野、朝来の方が寂れるというだけでは済まない結果になります。 つまり、人口減から新たな合併が起こらないとも限りません。 合併後も生野町の人口増はなによりも急務と考えますが、町長のお考えをお聞かせください。

財政の健全化も、住民の生活を安定させ、福祉の向上を図るためにも大切であり、新たな合併へと進まないためにも重要な問題です。 三位一体の改革の結果による地方の税収の行く方を確定しがたい現在、将来の予測をするのは困難ですが、「新市まちづくり計画」に見られる10年間で約475億5千万円もの普通建設事業は妥当なものかどうか、町長の見解をお聞かせください。

2.観光問題について

合併が近づき、生野町の活性化がなによりも望まれます。 先に申し上げた通り、その中心は人口増にあるわけです。

その一つの対策として、空地・空家の利用ですが、町としても有効な手だてがないとのことでした。 この対策として、都市住民の田舎暮らしを支援し、交流を深め、移住希望者の便宜を図る組織を住民と町が協力して作り、日常的に活動してはと考えますが、町長はどうお考えでしょうか。

第二は、観光開発を進め、観光客の増加を図るべきと考えます。 せめて、出石町並の100万人を目指して開発を行なってはと思います。 そのためには観光客を呼ぶことが出きる中心的な開発が必要です。 その役割を担い得るのが6月議会で提起いたしました『トロッコ列車』です。 答弁の中で「県民局の南但馬歴史、文化ミュージアム構想の中に生野町、朝来町、大屋町が計画に取り組んでいる『鉱山の道』の構想を取り入れるよう要望している」とありましたが、それも時期の問題があります。 何時までも構想だけで時間を空費するわけに行きません。 口銀谷地区からシルバー生野までということでは費用もかかります。 そこで口銀谷地区は、まずトロッコ道を歩ける状態にすること。 そして、奥地区の河川公園からシルバー生野までトロッコ列車を走らせてはと考えています。 ただでさえ過疎化の進む奥地区の活性化に取り組まなければならないと思います。

生野町である間に出来なければ、新市になっても、生野町の重点的な要求として取り組むべきと考えますが、町長のお考えをお尋ねします。

話は変わりますが、生涯学習センターの建設予定地に大変歴史的に価値のある遺構が発掘されました。 織田・豊臣時代の石垣と内堀であり、外堀も発掘されました。 生野のルーツと言えるような平城跡ですが、先の9月8日の総務文教常任委員会で町長は、内堀についてはさらに国庫補助事業として申請し、調査を続ける。 内堀・外堀の遺構についての総合的な保存計画を県、広域、町で話し合うとのことでした。 平成8年から準備された生涯学習センターの建設計画を変更することになるとしても、合併後も生野を活性化し得る有力な観光資源として、修復保存すべきと考えますが、町長のお考えを伺います。

以上

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質 疑 応 答(要旨)

1.合併後に向けた取り組み

【問】合併後なによりも大事な問題は、人口と財政の問題です。平成七年と十二年の国勢調査の4町の結果を分析すると、生野町では5、582人から505人減少、和田山町では16、764人から287人増加、山東町では6、551人から159人減少、朝来町では7、869人から320人減少です。和田山町のみ人口が増加し、その原因は二十〜六四歳の人口が222人も増加している点にあります。

生野町の減少は、企業の撤収などの社会的な原因があるにしても、大きな減少です。さらに平成十二年から十五年で見ると生野町は127人減少、朝来町は267人減少、山東町は118人の増加に転じ、和田山町は433人の増加となっています。

合併後もこの傾向が続くと和田山、山東町の方は栄え、生野、朝来町の方が寂れるだけでなく、新市全体の人口減につながる恐れもあります。生野町の人口増はなによりも急務と考えますが、町長のお考えをお聞かせください。

【答】二十〜六四歳人口の町外転出、近年の少子化の進行が過疎化の原因です。

この過疎化に少しでも歯止めをかけるべく様々な施策を展開していますが、「人口増がなによりも急務でないか」という点についてはいささか疑問を持ちます。だだ人口が増加すればそれで町が発展するか、ということです。生野町総合計画では、人口目標を設定していません。

ライフスタイルの変化に伴い少子化が進行している現在、その土地の特色を生かした町づくりが求められている、という認識の基に計画を策定しています。

住民が満足し、外来者もあたたかさや心の豊かさを感じて、再訪を望むまちでなければと思います。定住人口と共に交流人口の拡大を図ることが時代に即したまちづくりと考えます。

【問】財政の健全化という点で、「新市まちづくり計画」にみられる十年間で約475億5千万円もの普通建設事業は妥当なものかどうか、町長の見解をお聞かせください。

【答】この事業は、各町の計画により継続中の事業、合併後のまちづくりに必要な事業を精査し、小委員会等で十分協議され、協議会に提案されています。各種補助金及び、特に有利な過疎債、合併特例債等の裏づけで算出したものであり、妥当なものと認識しています。

2.観光問題について

【問】人口増加の対策として、都市住民の移住を支援し、交流を深め、その便宜を図る組織を住民と町で作り、日常的に活動してはと考えますが、町長のお考えは?

【答】「移住希望者の便宜を図る組織」としては「空家・空地バンク」制度以外にありませんが、生野塾の「いきいきグループ」活動もあります。移住促進には、生野町を知ってもらうことが大切であり、この観点からの取り組みが「銀山祭り」や黒川地区の交流イベントです。

【問】観光開発を進め、観光客の増加を図るべきと考えます。そのため、観光客を呼ぶことができる中心的な開発が必要であり、それが6月議会で提起しました「トロッコ列車」と考えます。

具体的には、口銀谷地区はまず、トロッコ道を歩ける状態にすること。そして、奥地区の河川公園からシルバー生野までトロッコ列車を走らせてはと考えます。新市になっても生野町の重点的な要求として取り組むべきと考えますが、町長のお考えをお尋ねします。

【答】トロッコ道は生野銀山の貴重な産業遺産のひとつであり、今年度に始めた生野、朝来、大屋の3町の「鉱石の道」産業遺産活用調査の結果、活用についての方向性が出てくると思っています。トロッコ列車を走らせるには、現場は岩場の急傾斜地であり、落石防止、河川護岸の改修等安全対策上いろいろ問題があります。しかし、現場にはこの土地に適した樹種の植生も多く、適当な手入れをし、景観資源としての活用を含めた整備事業を新市の計画にあげていきたいと考えます。

【問】生涯学習センター建設予定地に織田・豊臣時代の「平城跡」が発掘されました。建設計画を変更することになるとしても、有力な観光資源として、修復保存すべきと考えますが、町長のお考えは?

【答】この件に関しては、平成十六年度に北向きから東に曲がる角の発掘調査、平成十七年、十八年度に保存公開方法の検討とそのための工事を計画しており、県教育委員会文化財室審査指導係の指導、助言を受け、適切に対応したいと考えます。

 
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