No.003(2003/12/11)
第408回生野町議会定例会一般質問(平成15年12月11日)
質問原稿「町有林の現状と財産区の設立について」(全文)
合併協議会が再開され、現在合併に向け残された重要課題が協議されています。
その一つに生野町の町有林を財産区にする問題があります。
生野町民にとって非常に重要な問題であります。
本来、観光問題や風力発電など質したいことが他にもありますが、時間の制約上、この問題に重点を絞って質問します。
現在町有林は、町の直営林約588ヘクタール、分収林約334ヘクタールで計922ヘクタールであることはご承知の通りです。
町の伐採、造林及び保育の施業計画によると年間の枝打約10ヘクタール、間伐約20ヘクタール(下刈0.59ヘクタール)が計画的に施業されています。
町の60年生以上の保育林が約334ヘクタールあり(資料の「森林資源構成表」…以下「構成表」と略記…の1令級から12令級)、枝打を今の計画で行なえば、枝打は後3年で終了すると考えられるので、以後年30ヘクタールずつ間伐すれば、10年間で間伐が一巡し、あまり問題はないように思われます。
しかし、今までの育林実績を見ると色々な問題があります。
第一に平成4年度までは機能増進のための間伐に対する国の補助制度がなく、31年生以後の育成林に対して間伐などの保育がほとんど行なわれなかったのではないかと推測されます。
この点についてはどうであったかお尋ねいたします。
第二に森林組合に問い合わせると、桧の枝打が長期間に渡って行なわれて来なかったようですが、31年生以後(「構成表」7令級以上)の桧の枝打はどの程度行なわれているのか資料があればお答え願いたい。
第三に平成四年度以後の間伐実績がどうであったか。
つまり、平成四年度から今年までで11年経過しているので年20〜30ヘクタールの間伐計画なら「構成表」の6令級から13令級までが約330ヘクタールですから間伐はほぼ一巡していることになりますが、どうであったかお伺いします。
このような状況において財産区が一億円の基金と共に設立され、その運営が管理会にゆだねられることになります。
しかし、現状からすると様々な問題が予想されます。
一つ目は機能増進の補助対象である間に間伐を終了する必要があります。
「構成表」の10、11、12令級が当面の対象です。
全部で135ヘクタールありますが、まだ間伐が必要な部分はどの程度あるのか、また、その必要面積にもよりますが、重点的に間伐をして管理会に引き継ぐ予定はないかどうかお尋ねします。
二つ目は「構成表」の15令級の75年生以上の森林の問題です。
約20ヘクタールありますが、これは平成四年度において既に機能増進の補助対象外であり、ほとんど間伐されずに密植のまま現在に至っていると思われます。
このまま放置すればほとんど価値のない森林になる恐れがあります。
今までの育林方針からすれば、間伐すべきです。
その場合は100年生ぐらいまで育林すれば十分価値は出ると森林組合方でも聞いています。
もし、「構成表」の13令級も平成四年以後間伐されていないとするとこれに加わることになります。
しかし、一応20ヘクタールとするとこの間伐には四百万円ほどかかりますが、町単費でも施業されないかどうかお伺いします。
このほとんどが桧の20ヘクタールは一億円の基金の算出基準の一部を成しているはずです。
三つ目は分収林の問題です。
分収林は@森林管理事務所(約306ヘクタール)、A緑資源公社(約7.8ヘクタール)、B兵庫県みどり公社(約19.6ヘクタール)の3件がありますが、収益の配分比率は@が国5、町5、Aは公団5、町4、森林組合1、Bは公社6、町4です。
この分収林も財産区に引き継がれますが、収益は材木市況に左右され、必ずしも収益があるとは限りません。
契約期間の終了は早いもので平成20年から始まります。
もし赤字になった場合はどうなるのか。
一億円の基金でこのような場合どうするかお考えになっていればお聞かせください。
最後に一億円の基金の見積についてお尋ねします。
間伐は今のペースで実行する必要があるでしょう。
本年度の施業計画を目安に見積ると、枝打のある二年間は年約580万円、間伐だけになる十三年間は約410万円で合計6490万円の出費となります。
基金の見積にはもちろん木材の売却益が見込まれています。
しかし、木材市況が好転しなければ余り収益は期待できません。
したがって、この十五年間は場合によってはほとんど売却益なしで運営することになるかもしれません。
しかも、売却には町有林の杉、桧が標準的な価値を持つことが前提となっています。
しかし、標準伐期にある原木の価値は以上の諸点を総合すると高いとは言いがたいと思われます。
私は一億円の基金はこのような状況では余りにも少なく更なる増額が必要と考えますが、町長のお考えをお聞かせください。
以上
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