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最終更新日:2005/12/28
 
議会報告 No.2-3(2005/12/28)

第6回朝来市議会(平成17年12月定例会)
能見勇八郎の一般質問質疑応答全文--2/3

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2.2007年問題と人口増について

能 見

>昭和22年から25年に生まれた団塊の世代と言われる人々が定年を迎えるという問題、これが2007年問題といわれているわけですが、この280万を超える人々が退職するということで様々な問題があるといわれています。 人材の喪失に伴う技術の低下の問題とか、税、医療、保険、介護などの諸問題についての影響が危惧されています。 しかし、一方で、退職金が80兆円とも言われ、それを有する富裕層として、これをターゲットにした色々なビジネスも展開されようとしているというふうに聞いています。 民間の調査によれば、この世代の60%強の人が趣味として国内旅行を上げているということは、今後、朝来市の観光問題を考えるときに、十分留意してかかるべき点であるというふうに思いますが、今回お尋ねしたいのは、観光の問題ではなく、定年による帰農、帰山の問題についてです。 同じアンケートでは、趣味で家庭菜園とか農作業と言っている人は13.3%位ですが、その人が全部帰農とか帰山ということになるとは限らないわけですが、定年を迎えると田舎に帰るという話は都会でもよく耳にすることです。

そこで、まず第1点としてお尋ねしたいのは、朝来市からこの年代の人々で都会に就職された方というのはかなりの人数に上がるだろうと思いますが、その人数が一体どれぐらいか、どの程度推定できるか、お尋ねしたいと思います。

第2に、帰農、帰山というのは、いわゆる都会からUターンしようとする人ですが、単にUターンといってもそう簡単ではなくていろんな問題があると思います。 例えば住居の問題とか、住居がないとか、そういう問題、あるいは改修しないといけないとかといったような問題、それから住環境が今までの都会と田舎では大きく変わりますから、そういったいろんな住むということについての問題。 全部の人が農業とか林業に携わろうということではなくて、ほかの技術を持って地方へ帰ってきていろんな仕事をするという方もあると思いますが、いろんな意味でそういう自分の事業を始めるにあたっての資金面とか、あるいは農業であれば農地の問題とか、農地があってもそれが荒廃してしまっているとかといった問題とか、そういう問題があると。 それから、農業の集落ではいろんな既得権とかいろんな問題もあり、そこへ入り込むというのはUターンであれば割りと、そこに親族の方が居られるとかいうのであれば簡単だと思いますが、全くなくなってもう一度入るというようなときには、やはりいろんな問題もあるだろうと、そういったことが考えられます。 また転居等にも費用がかかるだろうと。

そういうことを考えるときに、ただ帰農、帰山を望む人がいるというふうに単に待つのではなくて、やはり制度的な支援体制を整備して、人口増への一つの方策として市として取り組めないかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。

市 長

まず、第1のだいたい推計をしてどれくらいの朝来人が市外に転出をし、活躍をし、そして帰農される可能性があるか、推計できるかということでございますが、具体的には方法論はないということでありますが、アバウトに学校教育課等の学校の資料からも推計をいたしまして、一例の数字を上げたいと思います。 昭和22年から25年、今いわゆる2007年問題といいます団塊の世代のこの塊部分について限定して申し上げますと、中学校を卒業された方は朝来市で4,994人、約5,000人でございます。 17年11月末現在で、この朝来市に在住をされるその団塊の世代の層は2,315人ということでございまして、差し引き2,679人が他の市町へ嫁いだり転居をなさっている、ということでございます。 しかし、2,315人のうち、相当数これ市外からまたお入りになっているいうふうなことでございますから、はっきりした数字が掴めるわけではないということでご理解をいただきたいと思います。

帰農、帰山の対象につきまして、その希望調査というふうなことを行なったこともございませんし、推計をいたしますと概ね2,700人、2,679人のうちの他の市町へ嫁がれた方は帰農、帰山されるということはまずないと思いますし、夫婦で帰農、帰山される場合も考えられますので、大体2,700人のうち千四、五百人ぐらいがそういう可能性があるか、なおかつ夫婦で他で生まれられた方も一緒にというふうなことを考えますと、二千人程度が推計できるのかなあと、こんな思いで、可能性として推計できるということでございます。

この団塊の世代の皆様の中に、特にご両親とか田畑や山林を朝来市内に置いて出ておられる方もございまして、退職後は是非とも帰農、帰山をして、この自然豊な朝来市で頑張っていきたいという、こういことをお望みの皆さんもあるように、私も直接にお話を伺っておるところでございまして、この辺に対する対応ということを先ほどご提言をいただいたわけでありますが、大変重要なことであるというふうに考えるところであります。

そこで、現有の制度として準備しているものがあるかということでありますが、まず一つに、先ほどご指摘がありました、帰ってきても、農業をする、ただ農業を開始するについても、何らかの手だて、制度的な支援が必要だというふうなことだと思いますし、また農地の斡旋の問題、こういった問題についても大変重要なことでございます。

一つに兵庫みどり公社が実施しております就農支援資金貸付制度、こういうものがございます。 これは就農に必要な農業技術、経営方法の取得、就農への準備、また農業経営を開始する際の機械、設備の導入等に必要な資金を無利子で貸し付ける制度がございます。 また、朝来市では、新規就農実践事業補助金交付要綱を独自に定めておりまして、新規就農者が研修する場合や農地を賃貸借する場合に、県の新規就農実践要綱の対象年齢を超えている場合については、研修の場合は原則2年以内として、また農地の賃貸借期間は1年以内として、月額七万五千円を助成する制度を定めているところでございます。 県におきましては、月額15万円の資金貸付制度、こういったものがとられておると、こういうことでございます。

大変失礼しました。 先ほどの社団法人兵庫みどり公社が行なっております就農支援資金貸付制度のほかに、県として新規就農実践要綱に基づきます月額15万円の資金助成があるという、こういうことでございます。 その県が示します要綱の年齢を外れる部分、要は県が施行してますのは、農業大学を出たり、非常に若い、これから新たな担い手となるそういう者を対象として15万円の助成または貸付制度ということでありますが、今、能見議員がいみじくもご指摘いただきます、そういった埒外にある、要は団塊の世代の皆さん等に対する方法論としては、月額、今75,000円の助成制度を市単独で持っておるという、こういうことでございます。 これらにつきましては、旧朝来町で用いておりました制度でございまして、既にこの制度を活用されて八代の茶園とか岩津ねぎ栽培等に退職後就労された農業者がいらっしゃいますが、現在、既にもう期間を終わっておりまして、目下この制度を活用なさっている方は無いということであります。 従いまして、こういった制度ののものをこれから団塊の世代の皆さんの帰山、帰農、こういったところにどう活用していくか、この辺が今後の大きなポイントではないかな、そんな思いがするとろでございます。

大体そういう事で、当面お答とさせていただきたいと思います。

能 見

就農者について、いわゆる県の年齢を超える方については、月額75,000円の市独自の助成が前にはあったということですが、ぜひ今後の向けて、そういう制度を拡充するといいますか、そういう方向で検討をお願いしたいと思いますが、財政的な観点、行財政改革で財政改革ということを言っているので、なかなかそういう事をするというのは厳しい面もあるかもしれませんが、是非そういう事をお願いしたいと思います。

その他に思いつくままに、いろいろ障壁的なものが在るのではないかと思って質問させていただきます。

例えば、下水道の加入に60万円というのは、合併協議会でそういうふうに決まったわけですが、実際に我々元から朝来市内に住んでいた人には何らかの助成があって、60万円必ずしもかけてなかったんじゃないかなといった事も聞いたりもします。 それは市とか町の助成金というわけではなくて、集落とかそういうところあったんじゃないかというような話も聞いたりしますので、その辺、何らかのそういう障壁、新たに入ってきて下水道加入で60万というようなことになると、大きな障害になるだろうというので、何らかのそういう特別措置とか、そういうことを考えられないかということ。

それから、水道の工事とかいうことになりましても、負担金が10万以上たしか要るはずですから、その辺の軽減措置とか、そういうふうなことも考えられるんじゃないかなと。 簡単なところで言えば、ケーブルテレビの加入金も3万円とか。 都会に居りましたらテレビとか、ほとんどそういう費用は無くて、自分でできるわけですが、それが田舎へ帰ってきて、そういう3万円払わないと普通の都会と同じようなテレビとか、そういうふうな機器が利用できないということになるというのも、一つの障壁になるんではないかなというふうに思います。

あと、転居費用の補助ですね。 これは現在であれば、太陽光発電とか、あるいは生ごみ処理等に補助金が出されてますけれども、そういったのと同じような、やはり奨励的な意味の資金として提供できるんじゃないかなと。 全額もちろん出すというわけではなくて、それが補助として、そういうのは考えられないかどうかというふうに思うんですが、その点、お尋ねしたいと思います。

市 長

先ほどお話し申し上げました帰農、帰山で農業に就労し生計を立てようと、こういう意気込みのある皆さんに対する助成制度があると、75,000円で、これは現行生きております。 これをどう維持をし、制度として制度維持をし充実をしていくか、その他に今お話ございました周辺、障壁的なものが沢山ございます。 農地法の関連とか、いろんな課題がありますから、これからはそういう者を受け入れをするための一つのネットワークで、それぞれが役割分担をしながら機能を果たしていかないと、なかなかそういう皆さんが帰農、帰山をされる、こういうことは難しいんではないかなと、こういうふうに思うところでございます。

障壁といいましょうか、困難にする阻害要因の一つとして、そういう経済的な負担という問題についてお話がございました。 一つに下水道の問題、60万というのはなかなかヘビーな負担だという、こういうことでございますけれども、これらにつきましては、地域住民は平均して60万円相当を朝来市の場合は負担をしてきておる。 能見議員のご出身地、生野については非常に受益者負担を軽減をするということで軽減措置がとられたところでありますが、その外の3町においては60万近いそれぞれ負担をしながらやってきたということでございまして、こういう市民と同じ負担はそこの地域社会に入ってくる以上、やはり応分の負担もしていただく必要があるんではないかな。

それから、水道加入10万円ということになりましたが、これらにつきましても、ケーブルテレビにつきましても、いずれにしましても、じゃあこれらのインフラを活用しながら生活をスタートするについて、じゃあその維持管理、使用料、こういったものが非常に低廉な使用料で活用いただける、こういうふうなことであろうというふうに思いますのと、もう一つは、やはりそういう権利が既に発生をしておる、一番地域の課題として大きなのは、やはり空家という問題であります。 この空家をどう有効活用するか、その空家にはもう既にそういう権利が発生をしておるという、こういうことでございまして、そういう空き家対策、こういう奨励、こういうことも一つの方法ではないかな、こんな思いがするところでございます。

いずれにいたしましても、団塊の世代の受入体制の準備といいましょうか、そういうことと現在いろんなことの負担をいただきながら頑張っていただいている市民の皆さんとの、ある意味で均衡、不公平感、こういったこともやはり無くしていく必要があろう。 そういった中で、積極的なそういう2007年対応と、こんなことを知恵を絞らなければいけない、こういうふうに思うところでありまして、これらにつきましては、どうぞまたひとついろんな側面からご支援なりお知恵を拝借をいたしたい、このように思うところでございます。

以上で答弁とします。

能 見

是非、この2007年問題を一つのやはり人口増の好機と捉えて、いろんな支援の施策、制度をお考えいただきたいと思います。

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