>議会報告トップページ >過去の記事索引
最終更新日:2005/12/28
 
議会報告 No.2-4(2005/12/28)

第6回朝来市議会(平成17年12月定例会)
能見勇八郎の一般質問質疑応答全文--3/3

前のページへ< 1 2 3 4

3.風力発電とイヌワシの問題について

能 見

それでは、第3の、風力発電とイヌワシの問題について質問をさせていただきます。

再三、この問題については今までに質問させていただきましたが、前回の9月議会に質問させていただいた後、この問題についても大きな動きがありましたので、それについて質問させていただきます。

クリーンエナジー株式会社とエコ・パワーが、段ヶ峰に風力発電を計画していますが、両社は平成16年から環境影響評価調査をそれぞれ行ない、評価書案の公開をするなど、一定の手続きを踏んできました。 そして、クリーンエナジーファクトリーの方が一歩先行して経済産業省に風力発電についての助成金を申請しました。 それが10月25日に初年度の補助金、今年度の補助金として六千数百万円余り、既に交付が決定したという状況です。

ところが一方、県の方は、この風力発電は温室効果ガスを抑制する効果があるということは認めつつも、景観への影響、騒音の発生や貴重鳥類、猛禽類、イヌワシの衝突の懸念がされるとして現在計画中の事案及び新規立地に対して、風力発電所環境配慮暫定指導指針を10月26日に制定して、事業者に対して環境影響評価審査委員会の意見を踏まえ、環境保全条の見地から知事が助言を行なうとした、そういうことを県の方が決定したという、そういう状況になっています。

そして、このイヌワシの調査について、県は環境庁による猛禽類の保護の進め方に従って、2営巣期間を含む1年半以上の調査を求めるというふうにしています。 そういう意味において、県はイヌワシ問題に対して非常に慎重な姿勢をとっているわけですが、事業者は既にNEDOを通じて経済産業省へ申請する時に、イヌワシが飛来するおそれのある地域を除外してタワーを建設するとしています。 タワーの建設地は、実際イヌワシが飛来したといわれている区域からずっと外れて、南へ移動させているということが1点あります。 それから、風力発電がやはり炭酸ガスの発生を抑制して、温暖化防止の有力な一つの手段であるということ。 そして第三に、風力発電が観光などの過疎地の活性化に役立つということを考えると、イヌワシの問題を乗り越えて、やはり風力発電の開発は進められるべきだというふうに考えておりますが、重ねて市長の見解をお願いしたいと思います。

市 長

これは今、全体像のお話がございましたが、私の方からもう少し経過と全体的なお話をしたいと思います。

昨年の9月に旧生野町段ヶ峰周辺におきまして導入計画の打診がクリーンエナジーファクトリー株式会社とエコ・パワー株式会社、2業者からございまして、事業内容は、クリーンエナジーファクトリー株式会社につきましては、生野高原の尾根沿いの栃原地区に出力2,500キロワットの風力発電を12基、合計3万キロワット、19年9月の運転開始を目指して進められております。 一方、エコ・パワー株式会社は、栃原地区、奥田路及び主に宍粟市の一宮地区をエリアとして、出力1,500キロワットの風力発電を10基、計合15,000キロワット、19年度末完成を予定されているところでございまして、これらから発電される電力は関西電力に燃料売電をされる、というものです。

地元の動向等についてでありますが、これらにつきまして地元栃原区を中心に財産区を含めまして数回の説明が実施をされておりまして、地権者の事業実施同意が取られております。 また、栃原区___サークルからは、今、能見議員からお話がございましたように、まさしく環境に優しいエネルギーに重大な関心を持ち、積極的に協力をしたいということで、市に対しましても、その推進方是非とも努力して欲しい旨の陳情をいただいているところでございます。

こういった状況下でございますが、開発に伴います諸問題の内で猛禽類、イヌワシが確認をされている点がございます。 事業者の調査によりますと大きな影響は及ばないと、イヌワシに。 発電機への接触を避けるために風力発電機の配置の見直しや実施地域の規模の縮小等の検討も2回行なわれているところでございまして、引き続き調査が行なわれておる、こういうことでございます。>

イヌワシ研究会の方からも、これらについていろんな問い合わせ、ご提案、協議があっております。 イヌワシ研究会からは、現予定地にイヌワシの生息が確認をされ、自然を保存する計画の放棄を事業者へ指導するよう要望が提出されてきていおるところであります。 市といたしましては、事業者に対しまして、こういう自然保護団体に対しまして、事業計画を十分説明することを提示をいたしまして、今日までそれぞれの事業者ごとに2回ずつ計4回の関係者、イヌワシ研究会、事業者、県関係課、市の合同会議が開催をされてきたところでございます。

このような中で、兵庫県において風力発電所環境配慮暫定指導指針というものが突如10月26日に公布、施行をされました。 この指導指針は、風力発電事業者に対しまして、環境への影響について環境影響評価審査会の意見を踏まえ知事が助言を行なうとするもので、これまで県が意見を述べる、そういう根拠となるものが無かった事から、急遽、整備、施行されたものでございます。 この指針の施行によりまして、既に申請手続きをしている当該事業者につきましても、遡及適用をするというふうなことになったわけでありまして、これによりまして、事業者は事業計画の許認可面等で大きな遅延が生じないか憂慮をされているることも事実でございますが、この指針が施行されました以上、強制力が無いものであるわけでありますが、指針が施行された以上、指針に沿った手続きにより進められるよう、県は事業者に説明、指導をしているという、こういう状況にございます。 昨日、これらの環境影響評価審査会が県において開催をされたというふうに伺っておるところであります。

今後でございますけれども、指針で定める調査の実施につきましては、環境省の指針、猛禽類保護の進め方に基づき調査等を行なうものとするとなっていることから、2営巣期を含む1年半以上の調査が必要となることから、継続調査が行われるものというふうに解釈をしております。 この調査の結果と環境影響評価審査会の意見等を踏まえた知事の助言を受け、事業者によって環境影響評価書は作成をされ、縦覧の後、工事着工となる手順でございます。

市といたしましては、先ほど申し上げましたように、地元の現状として既に地権者の同意を得て、地元は事業推進にあるというふうなことでもございますし、この事業が地球温暖化防止施策に大きく寄与する事業である。 さらに、本市がISO14001を含めまして地球温暖化防止のための環境政策については、特に県下でも際立って先進的に取り組んでおる、こういう街であることからいたしましても、これらについてはその事業者の方向に沿って進められるよう、可能な限りの支援をしてまいりたい、こういうふうに考えれ居るところでございます。

以上で回答といたします。

能 見

全体像をご説明いただいて、皆さん方も良くお分かりになったと思いますが、それで、昨日、審査会が行なわれたということですが、この建設予定場所というのは、段ヶ峰の頂上附近ですが、土地所有者としては生野財産区と栃原区、それからその他の民間の所有者からなるわけですが、その大部分が保安林になっています。 水源保安林になっているわけですね。 知事に風力発電を強制的に中止させるような権限は無いわけですが、保安林解除という問題の権限は知事に有るということもあって、県のこういう審査会の結論が出るということがなければ、なかなかこの問題が動けないような状況になってきている。 生野財産区は、官行造林になっています。 官行造林なので、その契約解除は国の森林管理局との協議ということになりますが、森林管理所の方は官行造林の契約解除ということで、風力発電のために解除するとして、そうすると解除条項が守られなければ、以後それを元に復するということはできないので、その解除条件を守られるという保証が要るという話になってきます。

ですから、県の方のこのイヌワシの問題が一定の方向で内諾というか、そういう事が出てこない以上、なかなか今のところ官行造林の契約解除という問題も動けないというふうな状況になっているということで、同時並行的に仕事を進めると、解除の交渉等を進めるということが難しいというふうな状況になってきていると思います。

従いまして、この問題が余りにも長期化してくると、既に補助金が今年度について出ているわけですから、それをいつまでも延ばすということもできないというような問題も生じてくるだろうと思います。 そういう意味において、県の審査会が既に開かれているということなので、2営巣期、これが何時までが営巣期かということも問題になります。 冬に巣づくりをして、あと卵を孵すということで、何月頃か、3月頃、4月頃というのが営巣期なのか、それとも6月頃までなのかという、そういう問題もあって、それを含むと1年半ということになると、ほぼ6月とすれば2年間行なうということになって、来年の6月くらいまでかかると。 それから審査会が開かれるということになって、それが終わって、それから契約解除ということになると、これでまた3ヵ月程はかかるだろうと言われて、このままいくと来年度中の着工が難しくなるのではないかというふうな状況でもあるということで、是非ひとつ、ここは県の方にそういう審査等、業者も指導指針に従うということを言っているわけですから、それを進めるように市長の方からも要請を是非お願いいたしたいというふうに思いますが、その辺り、ご意見ございましたらお願いしたいと思います。

市 長

事業者はそういう必要な行政手続きを既に開始をして、後に今回の県の指導指針というふうなものが出て、遡及適用をするという、こういうことになったわけでございまして、ある意味では通常の、何て言いましょうか、通常の手続きではないと、後追いでやっていると、こんなことでございます。

業者サイドも、先程申し上げたように、このイヌワシということを決して軽んじているわけではなくて、前後2回に分けてイヌワシということを想定しながら計画変更をして、相当地域から離して、なおかつ下の方に計画地を下げて計画をしようという、こう言うことでございますから、ある意味では、県ご当局にあっても、相当その業者努力についてはご認識、理解がされているというふうに私どもは理解をして居るところでございまして、きちっとした行政手続が進められている以上、これれについて県のご判断が私はあるものであると考えて居るところでございます。

能 見

状況は今申し上げたような状況になっておりますので、今後とも是非市の方からも、むしろ市が県の方へ働きかけをお願いしたい、ということをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうも有難うございました。

 

【関連記事】

 

前のページへ< 1 2 3 4

>上へ戻る
>議会報告トップページ
 

Copyright (C) NOUMI YUUHACHIROU | All Rights Reserved 無断転載禁止 | Produce by K-TEHC