議会報告 No.5-2(2006/4/1)
第7回朝来市議会定例会(平成18年3月定例会) 能見勇八郎の一般質問質疑応答全文--1/3
前のページへ< 1 2 3 4 >次のページへ
1.生野口銀谷地区まちづくり交付金事業について
能 見
まず1番目に、生野口銀谷地区まちづくり交付金事業についてですが、この事業は旧生野町から引き継いだ事業であり、本年度予算で3億8,800万円が計上され、いよいよ本格的に着手されようとしております。
今年度、18年においては旧明生社屋跡地における観光交流センターの基本設計や鉱石の道生活文化センターの詳細設計などが委託され、旧明生社屋の解体、道路整備などが計画されているようです。
また、生野支所では、口銀谷地区整備計画検討会が組織され、この交付金事業について地元住民の意見を反映させる取り組みがされています。
具体的内容についての検討については、こういう検討会の意見を十分取り入れて計画されていく必要があると思いますが、やはり大きな方向性、舵取りは行政がする必要があると考えています。
今まで区長会等、あるいは議会の方への説明等でこの事業の内容はある程度市民、特に生野町民には伝わっているわけですが、正式に市長から現段階においてどのような基本的な考え方、基本コンセプト、そしてそれをどう具体化していくかの具体的な構想がどのようになっているか、説明をお願いしたいと思います。
第2に、この事業の予算規模ですが、9億円というふうに計画されています。
18年度一般会計当初予算が197億8,000万円ですが、その経常比率は98%と聞いています。
このような投資的経費が非常に窮屈な中で今後この9億円の事業費をどのように手当てされるか、その考え方をお尋ねします。
第3に、この事業を成果あるものにするために観光バスに対する対応が必要だと思います。
観光交流センターを旧明生跡地につくり、あるいは現在あるシルバー生野などから観光客を口銀谷地区に誘導し、井筒屋を中心とする町の中心部に観光客の方に実際に来ていただいて散策していただくということが大事だろうと思いますが、そのためにはこの井筒屋の近くに大型観光バスの駐車場を造り、但馬地方への観光ルートに乗せることが必要であると考えますが、この点について市長の見解をお伺いします。
まず1点目についてよろしくお願いいたします。
市 長
1点目、生野口銀谷地区まちづくり交付金事業等について、でございます。
まず3点ございまして、その一つに、これからのこの生野の口銀谷地区を中心に計画しているまちづくり交付金事業、また街並景観整備事業、こういった事業を取り組むに当たっての基本的な考え方、コンセプトについてということでございますが、もうご案内のように合併前旧町におきましても生野町は観光立町、こういう基本的な考え方のもとに但馬の南の玄関口としての位置付けを強化していく、そう言ったことで街並景観整備事業、さらにまちづくり交付金事業、こういった取り組みがスタートしておったところであります。
新市合併をいたして後もやはりその位置付けには変わりございませんで、むしろ、より朝来市として大きな財政基盤を以ってこういった特徴的なまちづくり事業を推進していく必要があろう、こういうふうに私は考えておるところでありまして、過日の県政懇話会の中におきましても生野銀山を中心とする生野のまちづくりについて、これらについて特に兵庫県内でも都市部に集中しております都市公園、こういったものを但馬地域初の公園として、この生野銀山を中心とする公園化ということに考えてい頂けないだろうか、というご提案も知事に対してしたところでございます。
同時に、竹田城を中心とする茶すり山古墳、こういったものにつきましてもそういうお話を申し上げたところでありますが、やはりこれからはこの朝来市そのものが高速交通網の整備によってただ単なる通過の街になるということの危機感を持って、十分にこの朝来市を目的として来て頂けるような街づくりをしていかなければないけない。
その第一弾が具体的に今取り組んでおります、この生野のまちづくりであろうというふうに考えております。
尚且つ予算規模につきましても、景観整備事業、そしてまちづくり交付金事業についても相当な投資をするということでありますが、大変厳しい財政状況下でありますけれども、今申し上げましたように選択と集中といいましょうか、そういったことで十分精査をしながら優先度をつけて取り組みをしなければいけない、こんな思いをしておるところでございます。
そういった基本的な考え方のもとに、この場をお借りしいたしましてこのまちづくり交付金事業等についての経過なりお話しを少しさせて頂きたいと思います。
まず事業導入の経過でございますが、生野町は中世から生野銀山と共に発展してきた町でございます。
特に明治以降は官営鉱山、三菱鉱山として日本経済の発展の屋台骨を担い、生野町にとっても共に歴史を歩み、反映を続けてまいりましす。
しかし、鉱山資源の枯渇、採掘経費の増大、国際競争力の低下等によりまして昭和48年に閉山となっております。
鉱山は閉山となりましたが、口銀谷地区を初めとして江戸時代から閉山までの間、鉱山町として栄えた街並と鉱山産業施設等が立派に残されておりますことから、この歴史的な遺産を生かした観光交流の活力あるまちづくりを進めることに地域の振興方策が見出されるところでございます。
この街並を実現するために平成11年には平成25年までの計画で街並環境整備事業が導入され、街並の修景整備、道路の美装化、ポケットパーク整備、井筒屋整備等が進められてきております。
一方、口銀谷地区におきますまちづくりのもう一つの柱になりますこの交付金事業につきましては、平成17年から21年にかけての5ヵ年間の国の補助事業として採択を受けておりまして、街並景観整備事業と事業地の範囲や事業目的、事業メニューはほぼ同様なことから相互の事業をうまく割り振りをいたしまして、相互に効果が発揮できるように心掛けながら事業実施を図るべく考えておるとことでございまして、事業区域は口銀谷地区のほぼ全域に当る65.5ヘクタール、事業費といたしまして約9億円を予定しておるところでございます。
口銀谷地区を中心に外部からの考え方も交えて、いかに魅力ある街並を作り上げていくか、地域の合意形成を急ぐ必要があります。
事業の基本的な考え方でございますが、JR生野駅の交通結節機能の強化、産業近代化遺産の有効活用と観光産業の活性化、住民参加のイベント等の開催による観光交流の開催から成っております。
具体的内容といたしましては、交通結節点機能強化については、JR生野駅に西口を設置し、西口前道路を国道312号線と通路で結ぶと共に、バス停、タクシー乗り場、自家用車乗り場等を整備したい、このように考えております。
次に、産業近代化遺産の有効活用と観光産業の活性化でありますが、口銀谷には日本で最も古い官舎といわれます甲社宅がございます。
この保存と観光資源としての有効活用を図ることを目的に整備を図りたいと考えておりますし、JR生野駅の西側に生野の街をイメージする建物を予定し、観光客、また都市交流人に対して観光情報、そして多種の機能が発揮できるような、そういう施設を整備したい。
尚且つ、先程能見議員がお話しございましたように、観光客の流れをやはり口銀谷、シルバー生野、そして黒川方面、さらには栃原地区に誘導をしていく、そういう工夫をここで仕掛けるということが必要であろうというふうに思っております。
その他といたしまして、コミバス運行に関連した対策や小公園の整備等を予定しているところでございます。
更に、住民参加のイベント助成でございますが、例年に開催されている銀谷祭り等にも助成を行なうこととしております。
まちづくり交付金事業につきましては、地域の歴史、文化、自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづくりを実施し、都市の再生を効率的に推進することによりまして、地域住民の生活の向上と地域経済、社会の活性化を図ることを目的とした事業でございます。
補助対象事業は、従来から道路事業とか公共施設整備に加えまして、これまで補助対象でなかったソフト事業が補助対象に大きく加えられたというふうなことでございまして、ソフト、ハードの両面からのまちづくり活性化事業、こういうことが可能であるということでございます。
従いまして、画一的な補助事業ではなくて、ある意味で交付金という名前が付いておりますように、地方の自主性や裁量を最大限発揮することが可能で、地方の創意工夫が一層大切な事業になっておるということでございます。
補助率は、従前50%でございましたが、40%にダウンしておりますが、但し従来補助対象が極限定されておりました制度でありますが、今回からこのダウンしたことによって単独事業で対応しておりました事業がほぼ全面的に補助対象事業に包含をされるというふうなことになりまして、地域の裁量によりまして、使い勝手のよいメニューに変わってきておるところでございます。
全体事業費9億円と言うことでございますから、補助率40%に対しますと3億6,000万円の補助と言うことでございまして、残る財源が一般単独債乃至は一般財源、こういうことになるわけであります。
先程もご指摘がありました大変厳しい財政状況でございますので、この一般単独債または一般財源の投入については、可能な限り合併特例債を初め有利な制度導入を図りたいというふうなことで、鋭意、今関係期間と協議をしておるような次第でございまして、財政状況を踏まえながら単独費を極力押さえるように頑張ってまいりたい、このように考えておりますが、いずれにいたしましても朝来市の南の玄関口としての役割、魅力ある朝来市創造のために全力をあげて投入をしていかないといけない、こういうふうに考えておるところでございます。
また、井筒屋付近への大型駐車場の問題についても大変重要な課題でございますが、現在のところ大変密集地でございまして、これから十分にその状況等を把握しながら、確保できるものはやはり積極的な確保対策を取って行くというふうに考えておりますが、現状はマインホール前にございます駐車場、大型バスが5台程度今駐車できますが、ここから歩いて300mで井筒屋乃至、甲社宅にはもう後100m程でしょうか、こんなことで大体5分乃至は10分程度でその道中も十分に堪能頂けるような、そういうつくりを工夫していくというのが、私は大事なことであろう。
尚且つ、JR西口には大型バス2台程度、自家用車が数十台置ける、こういうスペースを確保いたしまして、駅から生野の街、またシルバー、そういった所への誘導を図っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
これらにつきましては、十分に事業の進捗を考えながら、適宜有効な計画を考えながら進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
どうぞ宜しくお願いいたします。
能 見
それでは、もう少し具体的にお尋ねしたいと思います。
まず、甲社宅ですが、この甲社宅については鉱石の道文化センターの整備ということで計画されているわけですが、現在ある甲社宅を基本的にどういう形にすることを考えられているのか、その辺り具体的にお話し願いたいと思います。
それから、駅の西口ですが、これは交通の結節点として、そしてここに今観光交流センターを建設するということです。
生野をイメージするような建物というふうにお答え頂いているわけですが、具体的に、前に代官所をイメージするような、というふうなお話しもありましたが、現在もそういう形で考えられているのか、或は別のそういうイメージする建物というふうに考えられているのかどうか。
其れから、具体的に建物の内部において物品販売とか飲食ができるとか、そういったいろんなことがあると思いますが、そういったことについてはどのようにお考えになってるかお尋ねしたいと。
それから、大型バスについては今お答えありましたが、現在マインホール前に5台ほど置ける、そして新しく西口の所へ2台ほど置けるようになるということですが、やはり建物、この井筒屋が見える所ではないんですね。
300mと言ったらかなり、例えばもっと近くにバス停があって、そこがいっぱいでやむなく離れた所に置くということであればやはり皆さん歩くということにもなると思うわけですが、例えばシルバー生野へ来たバスがそのまま現在においてマインホールの所に停めて、またそこから歩いてというふうになると、一寸なかなか実際には観光客の方が降りて歩くというような、そういうルート設定が難しいんでないかな。
そうすると、やはり井筒や周辺にどうしても、そんなに大きな駐車場じゃなくても良いわけですから、造っていく必要があるだろうというふうに思います。
聞くところによると、本町通り、429号線の歩道整備の問題が昔からありますが、それが最近少し動き出すかもしれないというような話しもあります。
勿論、そういうことがあるのであれば、そこの関係住民の意向を十分踏まえたものでなければいけないと思いますが、そういうことがなされるのであれば、それと一体としたそういう整備、駐車場の整備等も可能ではないかなと思いますが、その辺りのところも併せてお尋ねしたいと思います。
市 長
再度のご質問でございますが、今お話しございました一連のものにつきましては総じて現在のまちづくり公布金事業等を含めまして、これから、先程お話しございました地域あげてのいろんな議論の場、こういった場を踏まえ、尚且つ専門的な立場からの考察を加えながら今後きちっと固めていく、という考え方をベースにいたしております。
甲社宅につきましては、鉱石の道文化センターというふうなことでございますが、可能な限り、良好に保存をされてきてるそういう施設、建物でございますから、これらは原型ということを大変重要視しながら、いろんな機能を加えて一つの拠点にしたい、というふうに考えておるところでございます。
駅の西口の情報センターないし駅舎、こういったものについてはいろんな意味で生野のイメージを代表するような、大規模なものではなくても、その規模については今後検討すれば良いというふうに思いますが、生野のイメージをここで醸し出すような、こういう建物にできたら良いというふうに考えておるところでございます。
この場所については、確かに結節点ということでございますけれども、他の商業施設というふうなこともございまして、基本的にはここは情報センターとして生野の街中、シルバーセンター(能見注:シルバー生野?)等へ誘導していくインフォメーションセンター的な機能を持てば良いのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
大型バスにつきましては、先程お話しございましたように、429号線関係につきましても具体的な展開が進みつつあるということも聞かせていただいておりまして、こういう事と連動をしながら、その可能性については十分これから検討していきたいというふうに考えますけれども、直接的にその施設周辺で駐車場を確保する、こういうことが有効なのか、それとも、いずれの観光地におきましても一定保存したりする区域というのは、そういう景観整備のために駐車場は若干、300m乃至それ位の距離を持って駐車場をし、その道すがらをいろんな意味で工夫をして仕掛けをする、観光客の皆さんに満足を頂く、こういうことがいずれの地においても進められておる、こういうことでございますから、先進例と言いましょうか、例えば妻馬込辺りに行きましても正しくそうでありますし、その他の観光地でもこういうふうな手法が取られておる、こういう事でございますので、十分その辺についてはこれから地域の皆さん、また専門家の皆さんで十分にご議論を頂いて整備をしていく、こういう方向で進めていきたい、こういうふうに考えます。
能 見
駐車場の件については、勿論、専門家或いは地域の皆さんのご意見を聴いて頂いて、十分検討して頂くということをお願いしておきたいと思います。
それから、もう一点ですね、井筒屋がここに在る訳ですけれども、現在井筒屋の周辺が必ずしも十分整備されていないという状況です。
井筒屋にせっかく来られても、その辺りのところが不充分であれば十分な効果が出せない。
具体的には井筒屋の南側とか、或いはトロッコ道とか、或いは姫宮公園、或いは市川の沿岸といいますか周辺ですね、井筒屋の在るその周辺の件が有るわけですが、この辺については現在のところのまちづくり交付金では対象に上がっていないというふうに思いますが、その辺の今後の整備等を考えられる気がないかどうか、そこをお尋ねしたいと思います。
市 長
今ご指摘がありました井筒屋周辺、姫宮神社を含めましてその周辺一帯については、当初申し上げました都市公園的なそういう位置付けという、こういうことも基本的に考えながら、まちづくり交付金事業も含めて、これらについても十分ご議論を頂く中でどう全体計画として進めていくか、この辺については今後の課題として十分にご議論を賜ろう、こういうふうに思っております。
能 見
その辺りも十分な、やはり整備がなされる必要があると思いますので、ひとつ皆さんの協議を踏まえた上で、十分なご検討をお願いしたいと思います。
ところで、こういう整備をするという事に於いて何よりも大切なのは資金の問題です。
先程のお答えでも合併特例債の適用を含めて検討しているということでありますが、これは朝来市の予算の関係からいっても合併特例債が使えれば非常に有利になるというところもありますので、是非そういう方向でお願いしたいというふうに思いますが、もう一点、9億円ということで少し微妙な話しになるわけですが、今年度予算で旧明生社屋の道路新設に伴う保証金として3億4,600万円が計上されていますが、これがこの3億8,800万円のまちづくり交付金の中の中心を占めるんでないかな、というふうに思います。
この3億4,600万円というのは、その計画の9億円の中に確か含まれているというふうに思いますが、その場合、実際の予算書によれば除却費というふうに当るこの7千万円、実際7千万円要るかどうかは別にして、それが全額かどうか判りません、予算書で見る限りですから、上げられているわけですが、その差額が有るわけですが、その差額についてはどうなるかと。
これ、こういう補助金等いろんな問題があってこういう予算の組み方というのは理解できるわけですけれども、そこでその9億円の中にこれが丸々入っているという辺のところは、今後どういうふうに残りの差額についての担保といいますか、そういうふうな事ができるのかどうか、その辺のところを一寸お聞かせ願いたいと思いますが。
市 長
考え方としましては、まちづくり交付金事業の中に位置付けた事業ということでございまして、建物を取り壊し、除却、建物保証費というふうなことで3億数千万円の予算計上して、原資的には除却費として計上しておりました7千万円程度ということでございますから、その差額については市として残って、それを以って財源として先程申し上げたような新たな活性化のためのインフォメーションセンターなり、こういったものに充当をしていくことが妥当であろうというふうに思っております。
能 見
ひとつそういう方向で、基金までとはいきませんが、是非そういう差額についての利用を今後きっちりお願いしたいということで、まずこの問題についての質問を終わられて頂いて、次の2番目の問題へと移らせて頂きます。
|