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最終更新日:2007/01/31
 
議会報告 No.11-4

朝来市議会12月定例会一般質問質疑応答全文(3/3)

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2.消防団について

能 見

そこで、次に2番目の質問に移らせて頂きます。 次は、消防団について質問させて頂きます。

総ての市民が安全で安心して暮らせるためには、この消防本部或は消防団、そして自主防災の組織が一体となった地域防災力の強化が何よりも大切であるというふうに考えるわけですけれども、今日のところはその内、特に消防団について質問をさせて頂きたいというふうに思います。

消防団については、合併時に旧町の消防団を1団4支団体制として新市に引き継ぐということに合併協定で決められ、そしてその合併後には消防団審議会を設置して以後のことを決めていくというふうになっていたわけです。

そして、今年7月26日に消防団審議会が設置され、組織或は機械装備等について検討するということになり、今日に至ってるという状況です。 7月26日の第1回の審議会においては、消防団の方で組織とか機械装備について専門家としての検討を頂いて、それを審議会の方へ報告し、その後、その結果を踏まえて協議して、年度内にも答申が出されるというふうに聞いておりますけれども、そういう予定だということですけれども、そこでまず消防団を取り巻く現状、こういう問題を取り上げさせて頂きたいと思いますけれども、今日少子高齢化、これが進み、また過疎化が市内各地で進んでる、こういう状況において消防団を取り巻く状況というのはこの波をもろに受けて非常に厳しいものがあるというふうに考えます。

まず、その消防団の定員充足率等についてはどのようになってるか、まず最初にお伺いしたいと思います。

市 長

消防団につきましてのご質問にお答えを申し上げていと思います。

合併をいたしまして4002平方キロという大変広大な面積、そしてその面積であるにもかかわらず大変谷筋の多い、いろんな意味で防災面では脆弱な地理的基盤を持つ朝来市でございます。

そういった中で、この消防団につきましても大同団結を頂きまして大変な市民の生命、財産を守るべくご奔走を頂いておる、そういった消防団の皆さんに心から感謝を申し上げておるところでございます。

そういった中でも、やはり消防団の今ご質問ございましたような少子高齢化、過疎化というふうな現象の中で本市におきましても大変消防団員の確保が困難な状況で、消防団員数は減少の一途をたどっておる、こういうふうな状況にございます。 これは本市に限ることなく全国的な傾向であろうというふうに見受けられるところであります。

また一方で、地域社会における繋がりも、以前に比べまして希薄になったことも否めない事実でございます。 こういったことも消防団員の確保難の一因となっているのではないかというふうに考えておるところでございます。

こうした状況は、一方で地域の防災力をも低下させるものと危惧されるところでございまして、このような種々の影響を受けまして我が朝来市におきましても分団により多少の差はございますものの団員の確保難が課題となっておりまして、各分団におきまして毎年後任者の補充にご苦労を頂いてるところでございます。 これらにつきましては、それぞれ消防団の団員の皆さん、役員の皆さんは勿論でありますし、区長さん等にも大変なご苦労をおかけしてる現状にございます。

特に各分団の状況を見てまいりますと、補充難に伴います団員の高齢化、また分団によりましては後任者を確保できないために長期間退団できないという問題が生じております。 消防車両や資機材等の高性能化によりまして多少はカバーできる面も有るかもしれませんが、やはり消防は活動に当たって頂く団員のマンパワーと車両等の資機材等が有効に機能してこそ防災力が最大限に発揮できるものでございますので、団幹部を挙げての積極的な勧誘は勿論、自治会の区長さん方のご協力も頂きまして何とか合併前の実員数を維持しているのが現状にございます。

具体的に、ご質問の団員数につきましては、本年12月1日現在で申し上げますと条例定数は1,080人で有りますが、実人員は1,029人でございまして、その充足率は95.3%となっております。

以上でございます。

能 見

全体的に見ますと12月1日現在で1,029名ということで、そんなに充足率が悪いということではないというふうに伺えますけれども、それぞれの分団ごとに見ますといろんな問題がやはりある。

和田山支団においては人口も多いということで、比較的定員確保というのも完全になされていて、特設分団の藤和地区、ここを除いて特にそういう問題は無いんでないかなというふうに、資料を見せて頂くとそういうふうに感じるわけですけども、生野支団では第3、第4、第5分団で定数割れが起こっている。 特に第4分団、これ黒川地域ですが、ここは非常に厳しい状況で、30人の一応定員のところで第4分団は15人というふうなこと。 しかも20歳から49歳人口が11名といったようなことで、実際にはだからそこの地域に住んでいなくてもう既に外へ出た方がまだここの分団に属してるといったような状況、そういうふうなことが起こってると。 非常に厳しい例ですけど、そういうことがあると。

山東支団では、定数割れは全分団であって、第1分団だけは定数を満たしてるという、資料によればそういうことが読み取れるいう状況です。

朝来支団については第6分団だけが数字的には定員割れというふうになってますけれども、実際の状況は生野支団についてはかなり厳しい状況ですけど、その他については一応数の上では今のところそんなに大きくは出ていない。

合計で1,080人のとこが1,029人というわけですから、そういうことなんですけれども、問題は、今市長の答弁の中にも有りましたけれども、どの分団にも共通しているのは、やはり登録といいますか、団員にはなってるけれども出役しないというか、訓練とか、或は特別警戒とか、いろいろな消防の事業があるわけですが、それに実際に出られない団員、多くの方は本当に熱心にやって頂いてるわけですけれども、一部にそういう状況が見られる。 これは今、市長が言われましたように、世代交代ができない。 少子高齢化に伴って絶対数が少ないということから世代交代ができなくて、そして実際に活動する意欲を無くしておられる方とか、或は今も市長の答弁で地域社会の繋がりが希薄になったという話をされてましたけれども、若者が少ない上に消防団に入団するという意思を持たない人、これが増えてるという状況が特に最近顕著に出てんじゃないかと。 勧誘されるわけですけど、消防団の幹部とか、或は区長さん等がそれぞれ勧誘にいかれても、「なぜ自分が消防団に入らなければいけないんだ」というふうな答えが返ってくる。 そういう状況であって、入られても活動になかなか参加されない方とか、そういう結果としてかなりのいわゆる活動されない方、幽霊団員とか言ってるようですけれども、そういう言い方がどうかは別として、そういう方がかなりの数になってるというふうに聞いております。

height="17">自分の地域は自分たちで守るんだということを、やはり誇りとして日夜消防活動に従事されてる方々には真に頭の下がる思いがするわけですが、一方ではそうでない、こういった若者が増えているというのが現状です。

このような、やはり少子高齢化への対応ということに踏まえて、そういった若者の気質、そういうものも踏まえた上で、やはり朝来市として何らかの消防団に入り易くなるような手立て、これを考えていくということが急務でないかというふうに思うわけですけれども、市長にその辺りの見解をお伺いしたいというふうに思います。

市 長

今、能見議員からいろんなお話がございました。 本市の実態におきましても中心部と周辺部、いろんな状況差がございます。 そういった中で特に本市の消防団の団員の特性と言いましょうか、こういったことにつきまして就業構造、こういったことについて事務局の方で調査をした実例もございますので、これらにつきましては担当部長の方から少しお話を申し上げたいというふうに考えますけれども、若者の地域によって不在団員と言いましょうか、これが生じておるというのは、正しく就業構造に起因することも非常に多い。 どちらかと言うと生産年齢人口の皆さんについては、やはり自分の生活、職業、このことをライフサイクルの中心として行動をされていく、こういったことからしますと、どうしても地域への帰属意識と言いましょうか、そういったことが若干希薄になるという傾向は、これは避けられない事実であろうというふうなことであろうと思いますし、そういった意味で今ご指摘があるように消防活動、こういったことについても集中してと言いましょうか、そういう勤務の実態からしてなかなか難しいと言うのが実情であろうというふうに思います。

しかし、昨年の大災害も有りましたように、あれだけの広範囲な災害、こういった災害からどう市民の生命、財産を守るかといえば、これは正しく行政なり防災に就いております専門職員だけではもう到底不可能である。 これはもう市民力と言いましょうか、市民の防災力がどうしても欠かせない。 その中核になって頂くのはやはり消防団員であるという、こういった意味からいたしますと地域挙げてやはり消防団員の業務の重要性、そしてその崇高さ、そして必要性、こういったことについていろんな機会に各地域でもご議論を頂いて意識喚起を頂く、こういったことが大切ではないかと。 さらに行政的にはいろんな支援策と言いましょうか、できるだけ参加し易いそういう仕組みづくりもまた考えていく必要があるのかな、こんな思いがするところでございます。

少し、担当部長の方からもお答をさせて頂きたいというふうに思います。

総 務 部 長

それでは、私の方から消防団員の就業構造につきまして報告させていただきます。 お答させていただきます。

この7月に各分団のアンケートを実施させて頂きました。 そこでこういった調査も併せて行なわせて頂きましたので、その数字が出ておりますので、報告させて頂きます。

いわゆる先程出ておりますサラリーマン団員と呼ばれます被雇用者、この方の率が86.1%でございます。 それから自営業者9.4%、その他1.1%というふうになっております。

議員ご指摘のとおり、平成16年の総務省のデータでは全国平均値は69.8%ということでございましたので、調査年度のずれはございますけれども、本市の消防団の割合の方がサラリーマン団員につきましては高いという状況でございますし、また逆に自営業者の比率については全国平均値が15.6%ということでございますので、本市9.4%ということですので、下回っているという結果になります。

従いまして、これらの数値から当市の団員の大半がサラリーマン団員ということになっております。

以上でございます。

能 見

今、いわゆるサラリーマン団員と言われる比率が86.1%と、全国比平均が、少し前の数値ですけれども、平成16年で69.8%というわけですから、かなり高いということが判るわけですけども、これは昼間の出勤というようなことがあれば消防団が全く無力化するという惧れを内包しているわけです。

これについては、やはり現在朝来町の特設分団では、他町の消防団員が朝来庁舎の所へ勤務してますから、その方達が元の朝来町時代の特設分団の機械を動かすとか、そういうふうなことで特設分団が維持されてるわけですけども、こういったことを企業等にも協力をお願いするとか広範な取り組みをして、分団の方が市外にまで出ておられるということも有るかもしれませんけども、或は他の市町からこの朝来市に入って来ておられる消防分団の方も有るというふうなことを考えれば、そういった方の力を借りるというのは、そういう組織協定とか、そういうふうなことも考えて、やはり昼間における消防体制の整備ということを考えないと、全く昼間において、86%ということはもう本当に数えるほどしか、あと人が自分の住んでいる分団の所に居ないということになりますので、消防の全く無力化ということが起こるというふうに思うので、是非そういう方向を検討の一つの課題とお考え頂きたいというふうに思います。

あと、時間がありませんので、2点の質問を簡単にまとめさせて頂きますけれども、まず火災というのは現在朝来市においてもそんなに多くなく、基本的には減少してるということは言えると思いますけれども、地球温暖化による異常気象、これは一昨年の台風23号に象徴されるわけですけれども、今年でも全国的に見ればいろんな所で異常気象が起こり、そしてそれの場において消防団の方々が非常な活躍をされてるという状況。

或は、高齢化社会に伴い、いわゆる行方不明者ということにおける捜索活動等に消防団の方が従事されるということを考えますと、消防団の役割というのは非常に益々重要なものであって、団員の維持というのは決して疎かにできないことだというふうに考えるわけですけども、そういう点も踏まえて消防団の組織、体制の改編はどのように考えられてるかということ。

それからもう1点は、消防団審議会において消防体制のことを検討されてるわけですけども、いわゆる機械ですね、いわゆる消防車を初めとしたそういう機械配置については旧町ごとにかなり差異があるわけですけども、その今後の整備計画についてはどのようなお考えがあるか、その2点併せてお尋ねしたいというふうに思います。

市 長

ご質問を頂戴をいたしました消防団員の組織の改編と車両、消防資機材の整備計画ということでございますが、当初にお話ございましたように合併後に審議会を設置をして、新市の消防の組織、その整備、こういったことについてご審議を頂くという、こういうことでございました。 本年7月26日に審議会を設置をさせて頂きまして、只今これらについての審議を頂戴をしておるところでございます。

合併後は従来の旧町、4町の消防団を1市4支団体制というふうなことで動いておるところでございます。 先程申し上げましたように、大変広大な面積、尚且つ防災力の面では大変脆弱なそういう地理的条件、こういったことを考えますと、この組織改編に当たりましてこれ以上消防力を弱めていくと言いましょうか、団員を減らしていくということは基本的には私はできないだろうというふうに私自身考えておるところでございまして、全体の現在の地域の防災を守っていく力として組織的には現状を何とかキープ頂く。 ただ、ご指摘頂いているように大変厳しい団員確保の問題が有るということでありますけれども、そういうことを考えたい。

尚且つ消防の機材配備等につきましても、大変老朽化もしておりますし、これらについては年次計画的に新進気鋭の機材に換えていきたい、こういうふうなことでございまして、これら総合的に審議会の方でもご審議を賜りたいというふうに思っておるところで有ります。

 

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