議会報告 No.9-1(2006/10/2)朝来市議会平成18年9月定例会のご報告(一般質問)
第10回定例会は、9月1日から28日まで開かれました。
主な内容は、朝来市温水プール条例等の制定3件、条例の一部改正5件、平成18年度一般会計補正予算、特別会計補正予算7件の審議、平成17年度一般会計決算、特別会計決算12件の認定などでした。
決算特別委員会が設置され、その一委員として7日間に及ぶ集中審議に参加し、原案通り認定することに賛成しました。
しかし、この17年度決算は合併後初めての決算認定とあって問題点も多く、決算委員会では様々の意見を報告しましたが、詳細は第10回定例会の「議会だより」に掲載の通りです。
9月13日木曜日の一般質問では、朝来市の「行財政改革の理念とその帰結について」以下の観点から質問しました。
- 行財政改革の理念
- 行財政改革を遂行していく上での市行政の在り方と行政職員の在り方
- 地域自治協議会とその財政
- 臨時・嘱託職員の問題
- 朝来市の総合計画
- 将来に向けた税収確保の方策についての市長の見解を確認
質疑応答全文
一般質問質疑応答要旨 行財政改革について(朝来市議会だより原稿)
能 見
改めて、行財政改革の理念はどこにあるかをお尋ねします。
市 長
行財政改革の理念は、持続可能な朝来市をどう構築するかということにある。ややもすると財政議論に集中する嫌いもあるが、私は行政のいろんな仕組みと財政の両方がうまく絡み合わないと持続可能な朝来市は構築できないと考える。
能 見
公共サービスでは民よりも公のサービスの方が上という固定観念を打ち破る必要があるがどうか。
市 長
公共サービスが民間の手で行なわれる分野があり、公共サービスが一定、市場化する時代を迎えつつあり、行財政改革の大変重要な部分を占めるのは職員、また多くの市民の意識改革であると考える。
能 見
行財政改革の結果として職員のあり方が大きく変化するがどうか。
市 長
従来の行政事務を執行する視点から、行政をどう経営するかという視点が必要になると考える。
能 見
行財政改革の結果出現する朝来市の分権型社会の構想はどのようなものか。
市 長
行財政改革では、行政と市民の関係も変革が求められ、地域住民が新しい公共空間を形成し、行政と協働して公共を担うことが必要と考える。この地域自治協議会の具体的内容は10月からの地域別懇談会等で説明し、住民の意見も聞く予定である。
一般質問質疑応答概要 行財政改革について
能 見
朝来市の行財政改革大綱案が策定され、行財政改革実施計画がまもなく策定されようとしています。 一方、まちづくり推進プロジェクトによる分権型社会の検討も一定の結論を得て、朝来市の行財政改革の全体像がほぼ見える状態になっています。
行財政改革と言うとき、私も含め、市民はどちらかというと行政改革でなく財政改革の方に重点を置いて捉えがちですが、ここで改めて行財政改革の理念を市長にお尋ねします。
市 長
行財政改革の理念は、持続可能な朝来市をどう構築するかということにあります。 ややもすると、お話のように財政議論に集中する嫌いがあるが、私は行政のいろんな仕組みと財政の両方がうまく絡み合わないと持続可能な朝来市は構築できないと思っています。 そういう意味で、相互補完的に行財政の改革を進めることは持続可能な朝来市づくりのための基礎という考え方です。
特に地方分権時代を迎えて、行政自らが担う役割を重点化する展開が求められると同時に、公共を行政のみが担うのでなく、市民が生き生きとして地域社会にかかわり、地域の様々な主体が行政と協働して公共を担う新しい公共空間を形成していくことが必要であると思っています。
能 見
「民にできることは民に」という意味は、行政が明治以降踏襲してきた手法はもはや疲弊しており、今や民間的な手法を行政全般に及ぼすことが行政改革の一番の基本でないかと考えます。 つまり、公共サービスということにしても、公のサービスの方が民よりも優れているという我々の固定観念を打ち破る必要があると考えられます。 このような点について市長のご見解を伺います。
市 長
ただいまの議員のお話に私は同意するものであります。 従来から取り組まれてきたいろんな意味での行政サービスの内容、方法がベストであるという固定した認識が今問われているのであり、住民サービス、公共サービスが民間の手で行なわれることが可能な分野があり、公共サービスが一定の市場化する時代を迎えつつあるということです。
このような意味で行財政改革の大変重要な部分を占めるのは、行政に係る職員、また市民の皆さんの意識改革であると考えます。
能 見
行財政改革の一つの柱は民営化であり、もう一つの柱は「地域にできることは地域で」という地方分権であると思います。 そういう意味で小さな市役所というのはこの改革の目的であり、現業的な業務、いろんな事務事業等は民間に委託されることになり、職員に残される業務は企画とか政策立案等になってきます。 その結果、職員のあり方が今までと全く変ってくると考えますが、市長のご見解は?
市 長
市の財政状況を考えるとき、小さな市役所というのは一つの大きな目的、理念になるだろうと思いますが、現在行政や行政の関係団体で担っている公共サービスを低下させないことが求められます。 そのために、そのサービスを効率的に、スピーディーに、安価に供給する仕組みづくりを市民の皆さんとの協働で、また民間の力を借りてやっていく工夫が必要です。
そういう意味で、職員自身の考え方も、従来の行政事務を執行する視点から、行政をどう経営するかという視点に立って物事をいろいろ考えていく必要が生じるでしょう。
能 見
行財政改革が断行されるとき、最終的に出現するのは分権型社会であり、現在、まちづくり推進プロジェクトは12の小学校区からなる地域自治協議会の設立を計画していますが、これについてお尋ねします。
市 長
行財政改革の延長線上にある、新しい公共空間といわれる地域自治組織については、既に広報紙等でその方向性などはお示ししている通りです。
現在、国と地方の関係、役割を見直す地方分権の改革がなされており、これは明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言われる大変革であり、この改革を乗り切るため、自立した自治体運営を図る体制づくりが必要です。
この行財政改革の推進において、行政内部の改革はもちろんのことですが、併せて行政と市民の関係においても変革が求められています。 つまり、公共を行政のみが担うのでなく、市民が生き生きとして地域社会とかかわり、地域の住民や各集団、NPOなど様々な主体が行政と協働して公共を担う新しい公共空間を形成して行くことが課題になります。
具体的には、おおむね小学校区を想定した地域自活組織である地域自治協議会というようなものを構想し、その構成員としては区長会を初め、地域内の各婦人会や老人会、その他の各種団体、また任意のNPO法人等を考え、それぞれが連携、連帯して地域づくりに取り組んでいく組織とすることを考えています。
能 見
地域自治協議会と現在県が提案している県民交流広場事業との関連はどう考えますか。 また、協議会設立の日程的な目途はどう考えられていますか。
市 長
地域コミュニティーの再生、活性化ということで県が県民交流広場事業を提案していますが、ハードだけで県民交流広場事業が推進されるのでなく、分権型の自治システムの創設と一緒に取り組めば理想的かなと思っています。
日程的には、可能な所は早く、少し期間を要する所は順次立ち上げていくというように考え、県民交流広場事業が今年から5年ということですから、この辺りを目途に全体的に進めて行ければと考えます。
能 見
この地域自治協議会については、財政的なことは全く議論されていません。 補助金等については現在検討委員会が設けられていますが、補助金等の整理というような形で、交付金のような考えはないか伺います。
市 長
大変皆さんの関心の高いところですが、現在補助金をいろんな団体、いろんな制度で交付しています。 今、補助金については補助金の検討委員会で議論していただいており、その結果を踏まえ、より効果的な方法論をこれから議論していくことになると思います。
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