議会報告 No.9-2(2006/10/2)
市議会9月定例会一般質問
「行財政改革の理念とその帰結について」質疑応答全文(1/4)
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1.行財政改革の理念は?
能 見
行財政改革についてお尋ねします。
昨年の9月議会においても、この行財政改革について質問させていただきました。
その後、既に1年を経過して、本市の行財政改革の検討状況はかなり進んだ。
朝来市の行財政改革推進委員会の答申を受け、朝来市の行財政改革推進本部による朝来市行財政改革大綱案が策定され、そして今、それが行財政改革の推進委員会に諮問され、間もなく答申され、それを受けて朝来市の行財政改革実施計画が策定される段階に来ています。
また一方、まちづくりプロジェクトによる分権型社会についての検討もなされ、朝来市の広報等にそれが既に報告されているという状況です。
この状況において、行財政改革の全体像がほぼ見える状況になってきたというふうに思います。
そこで、朝来市の行財政改革が行き着く先はどうなるだろうか、というふうなことを中心に据えて質問させていただきたいというふうに思います。
本来、国はこの行財政改革の重要な柱として、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に等の観点から構造改革を断行し、簡素で効率的な政府を構築し、財政の健全化を図り、財政運営の改善、透明化、国民生活の利便性の向上を指向したというふうに理解しております。
市町村合併もこの線に沿ったものでありました。
そしてそれが実現した暁、この合併の後、この流れにより、今日の地方自治体に行財政改革が求められています。
本市における行財政改革においては、私を初めとして多くの人々、市民が意識したこと、それは財政改革という点にあったと思います。
先程の同僚議員の話にも、行政改革というよりも財政改革が出ていたと思いますけど、我々もどちらかというと行政改革ではなくして財政改革のほうに重点をおいた改革として捉えてきたという面があります。
本市の行財政改革案を読めば、民間にできることは民間に、朝来市ですから地方でなくて、地域にできることは地域に等の観点は十分読み取ることができると思いますけれども、改めて新市の行財政改革の理念はどこにあるのか、市長にお尋ねしたいと思います。
市 長
それでは、能見議員の行財政改革についての一般質問にお答えをしたいと存じます。
お話ございましたように、行財政改革は終わり無き改革というふうなことで、継続的に市民の皆さんと共にいろんなご意見を呈しながら、議論を重ねながらこれから進めていかなければないけない、今直面する最大の課題であるというふうに思っておるところでございます。
議員におかれましても、特に行財政改革のいろんな取り組みについては積極的にご指導をいただいておるところでございまして、感謝を申し上げたいと、このように思います。
まず、本市の行財政改革の理念ということでありますが、これについてはやはり朝来市が旧四町がいろんな問題を乗り越えて朝来市に合併をしたということでありますが、この大きな要素は、やはり中央から地方へという分権の流れと、なおかつ当面する財政問題というふうな、大きなこういう二つの要素が有ったんではないかなというふうに思いますが、私はそういったことを総じて、本市の行財政改革の理念は、やはり持続可能な朝来市をどう構築をしていくかという、こういうことであろうというふうに思っております。
従って、ややもすると、今お話がございましたように財政議論に集中する嫌いがございますけども、私は行政のいろんな仕組みと財政、両方がうまく絡み合わないと持続可能な朝来市というのは構築できないというふうに思っておるところであります。
そういった意味で、相互補完的に行財政の改革を進めるということは、即ち持続可能な朝来市づくりのための基礎という、こういう考え方でございます。
従って、選択と集中を重ねながら施策を推進をしていく、こういうふうな事であるというふうに思っております。
そうした意味で、特に地方分権の時代を迎えて、行政自らが担う役割を重点化をしていく、自治体運営を持続可能にしていく展開が求められるということであります。
これと同時に、公共を行政のみが担うのではなくて、市民が活き活きとして地域社会にかかわり、地域のさまざまな主体が行政と協働して公共を担う新しい公共空間を形成をしていくという、こういうことが私はこれからのまちづくりにはどうしても必要であろうというふうに思うところであります。
その新しい視点に立って、不断に行財政改革に取り組み、今日の公共の有りようを刷新していくことが必要であり、これまで以上に簡素で効率的な行政運営はもとより、経営の視点に立った抜本的な改革を実行していかなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。
そういった理念のもとに行財政改革を推進をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
能 見
今、市長の方から、持続可能な朝来市を建設していくということで、行政の仕組みと財政の改革ということは大切であるというふうなお話をいただいたわけですけれども、私が考えますのは、やはりこの行政改革というのは、民にできることは民にという意味は、もっと意味が大きいんではないかなと。
つまり行政が今まで明治以降踏襲してきた手法はもはや疲弊して、民間的な手法を行政全般の及ぼすということが行政改革の一番基本でないかなと。
その中に民間に委託できるものは委託するとか、そういうことも含んでいるということで、端的に言えば、行政改革の一つの大きな柱が、やはり簡単な言葉で総ての民営化、民間的な手法の導入ということにあると思います。
バランスシートにしろ、或はいろいろな評価システムの導入にしろ、そう言ったもの、今までの行政ではそういうものが欠けていたということで、やはりそういう手法を導入していくことが職員それぞれの研鑚へと繋がっていくと。
民間の会社においては個々の社員が、お互いに協力するところは有るけれども、自己を磨いていかないと自分一人がその会社の中で、或はその部署で取り残されていくというふうなことになり、そして、ある人は会社にどうしても居れなくなるというふうなことまで起こってくるという、そういうふうな民間的な手法を行政の隅々まで導き入れるということは、この行政改革の一番中心的なところであろうと。
と言いますのは、別の角度から言うと、今までであれば公共サービスとかいうふうなことを言ったとしても、公のサービスの方がすぐ優れているという、我々固定観念を持ってきたわけですけども、よく考えると民間は競争していろんなサービスを提供する。
もしそれが不備があればその競争に敗れていくわけですから、ある意味で民間の方が優れているんだということが、この「民にできることは民に」ということの、端的な言い方ですが、そこにあるんだろうというふうに思っているわけです。
そういう意味で、財政改革だけでなく、もっと行政改革というところを重点に、朝来市の行財政改革を進める必要があるんでないかなと。 この民間型ということは、行財政改革大綱には十分そういうことを意識して書かれていると思います。
答申の方にはその意味が少し薄いんでないかなというふうに、私読めましたんですけれども、その辺のところ、市長、ご見解がありましたらお願いしたいと思います。
市 長
只今能見議員がお話ございました、私はご主張にまさしく同意するものでございまして、従来から取り組まれてきましたいろんな意味での行政サービスの内容、方法、こういったものについて、これがベストであるという、こういう固定した認識が今問われておるところであって、可能なものはより充実した内容でより安く、そしてスピードを上げて住民サービス、公共サービスが民間の手で可能というふうな分野、こういたこともあるわけでありますから、そういった公共サービスそのものが一定市場化をして、そしていろんな意味で担い手がこうでなければならないという、こういうことにはならない。
そういう時代を迎えつつあるということでありますけれども、今、ご指摘のように、従来から取り組まれていることを営々として取り組んできておるという、こういう状況を意識、このものについてやはり抜本的に意識改革をしていく必要があろうと、こういうふうに思うところであります。
そういった意味では、この行財政改革の大変重要な部分を占めますのは、行政に係る職員、また多くの市民の皆さんの意識改革ということも大変重要である。
私が責任を持つ、特に職員の意識改革については、今、能見議員からご指摘があったような意味でのやはりサービスの供給、こういったことについての意識改革というのを抜本的に進めていかなけれいけないというふうに考えるところでありまして、それにそういう方向に沿った職員の養成、こういったことを一層厳しく積極的に進めていかないといけない、こういうふうに思っておるところでございます。
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