議会報告 No.12-1(2007/4/23)朝来市議会平成19年3月定例会のご報告(一般質問)
3月12日(月)の一般質問では、「税収の確保」について次の観点から質問しました。
- 将来に向けた税収確保の方策についての市長の見解を確認
- 企業誘致策
- 起業、ベンチャー企業育成策
- 既存企業との結び付き強化策
- 人口増加策
質疑応答全文
一般質問質疑応答概要=「税収の確保について」
能 見
本年度一般会計予算を見ると
、三位一体改革、或は定率減税措置の撤廃などにより、
18年度より市民税で3億7,200万円の増収がある一方
、地方譲与税は2億4,700万円の減、減税特別交付金9,800万円の皆減、地方交付税は1億円の減額が見込まれ、臨時財政対策債の減額を含めると
4億円位の減収になるのではないかという財務当局の見積もあります。
この歳入不足は、財政調整基金7億円の取り崩しなどで補填がなされています。
さらに財政の弾力性に関する指標と言われる経常収支比率は104.2%、実質公債比率は単年度で19.4%、起債制限比率は14.9%と18年度に比べると軒並み悪化しています。
このような財政の硬直化と言う危機的な状況を乗り切るために、行財政改革を断行することは当然ですが、それに加え、
将来に向けた税収確保を図ることが大切であると考えますが、市長の見解を伺います。
市 長
まず、歳出面において人件費、物件費、扶助費の経常経費を可能な限り抑制に務め、公債費についても高レートの縁故債の繰上げ償還と低利の借入金導入を図っています。
しかし、財政の危機的な状況を乗り切るために、行財政改革だけでなく、
税収増を図る手立てを早急に取ることが重要と私も
考え、本年度から経済基盤の強化のため、
工業団地の整備や遊休地等への企業誘致の促進、高速道路の開通に合わせ流通関連企業の誘致促進に努めます。
また、観光、農業などの他産業との連携を図った商業の振興を行なうことにより安定した市税確保ができる経済基盤を確立する施策を積極的に展開します。
雇用の場の確保と合わせて、重要な施策は人口の定住施策と考え、遊休地を活用した分譲住宅の開発や転入者住宅建設等の補助制度を拡充することで、人口増加施策にも取り組んで行くことにしています。
全ての対応は一朝一夕にはできませんが、最も大切なことは、朝来市に住む私達市民が、このまちをこよなく愛し、魅力ある朝来市とすることが最もローマへの早道であろうと確信しています。
能 見
企業誘致では環境の良さ、森林資源の豊富さ、交通の要衝といった市のプラス要因を前面に据えて売り出すことになると思いますが、本市の最大の弱点は労働力不足にあると考えます。
その具体的な対策についてお尋ねします。
市 長
労働力不足は大変切実な問題です。
企業の皆さんがハローワークを通じて募集しても人員が集まらない。
特に若者、新卒の皆さん達がなかなか地元企業に就職しないという現実が有ります。
高校生、中学生と話をする機会には必ず、「朝来市には素晴らしい企業が集積しており、世界に伍して、世界のトップシェアを誇るような企業もたくさんあり、若い人材を求めています。
是非地元に定着を」といった話をしています。
昨年は地元の生野、和田山高卒で域内に60数名の皆さんが就職したということです。
少しづつ、そういう優秀な企業群の存在が認識されつつあると思いますが、やはりもう少し体系的に地元定着ということをPRしなければならないと考えます。
また、「若者の皆さんを中心に、朝来市出身者の全国的なオール世代のネットワーク化が必要でないか」と若い世代の方に話をしました。
そういうものを活用しながら、やはり朝来市へ帰っていただくようなキャンペーンを張っていくことも重要です。
若者の定着が最も重要な課題であるという認識のもとに、総合的な施策の推進をしなければならないと考えます。

(株)サムコは、シリコンウエハーの国内2大メーカーの一つです。
能 見
企業誘致において、現在の法人税と固定資産税を単純平均すると合計で1社当り約180万円くらいになります。
現在の企業誘致奨励措置は、最大で固定資産税を、3年間で500万円を限度として奨励金として交付するというものです。
合計180万円の内、固定資産税は約85万円であり、
もう少し誘致奨励措置を充実できないか伺います。
市 長
奨励策ですが、一例として、投資額3億円以上では固定資産税を500万円を限度として、3年間奨励措置を行なうことをうたっております。
端的に、1億円の投資では、課税評価は若干下がりますが、税率1.4%ですから140万円となり、3億円では420万となります。
500万限度というと相当の投資となり、今の朝来市の体力ではこの辺りが妥当なところかと考えます。
能 見
市政方針でも既存企業との交流会を推進し、既存企業との結びつきを強めていくと述べられていますが、具体的内容を伺います。
市 長
現在、生野、和田山地域の工業団地に7社、8社あり、それぞれ連絡協議会が持たれています。
私も合併以後、こういった処にはできるだけ出席し、企業の現状、課題、問題を聞いたり、今後、企業のそれぞれの拡張といったところを含め、発展的に進めていくにはどうあるべきかなどで意見交換を行なっています。
また、進出企業の本社訪問なども、一生懸命今行なっており、必ず本社トップと会い、地域進出企業の課題についても協議しています。
なお、古くから地域に根付いた多くの会社もあり、従来、商工会とか経営者協会とかでいろんな情報交換がなされてきたが、この辺りが今曖昧になっており、もう少しいろんな意味で情報交換の場を設定し、地域の課題解決に向けて、相互努力をするような場が必要でないかと考えています。
能 見
人口増の方策ということで、現在まちづくり定住促進事業でいろんな取り組みが行なわれており、今年度は転入者住宅建設対策事業補助金が50万円から60万円に増額されようとしています。
ところで、朝来市の納税者一人の市民税と固定資産税を平均して合計すると約24万円になります。
例えば、この5年間の税収120万円を定住促進補助金にできないか。
佐賀県の多久市では、合計すると125万円の奨励金を出す事例も有ります。
この点について市長のお考えを伺います。
市 長
従来、まちづくり定住促進事業として5年間に最大50万円を支給する制度、民間賃貸住宅の入居でも一定の要件の下に5年間で最大30万円を支給する制度があり、また転入者住宅建設等対策事業で、お話のように、国庫補助を取りながら、最大60万円を支給する事業導入を図りました。
また、転入者が空き家を借りる場合、その持ち主に対して水回り等の改装費を、一定の要件の下に、最大で50万円を支給する制度を設けています。
一時的、 直接的なインセンティブ(刺激策)になる補助金ということですが、私は住宅建設や転入の一つの要件は、大きいお金が交付されるというものでなく、そのまちが本当に住み良いまちだということ、福祉も教育も情報基盤の生活基盤もが完全に完備されている、他と例えば税の比較、いろんな公共料金の比較、このようなことで朝来市に住むのが大変有利だということを、政策的に関連業界にも十分PRしながら、広く大勢を集めてもらう努力も必要かなという思いがします。
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