議会報告 No.14-1(2007/06/26)朝来市議会平成19年6月定例会のご報告(一般質問)
6月12日(火)の一般質問では、清風会を代表して「朝来市の財政運営について」質問しました。
質疑応答全文
代表質問 質疑応答概要=「朝来市の財政運営について」
能 見
小泉内閣による三位一体改革の結果、所得税が住民税に振り替えられ、マクロ的には納税額はプラス・マイナス・ゼロに設定されています。 しかし、3兆円の税源移譲と景気対策として行なわれてきた定率減税の撤廃が同時期となり、市民には増税感があります。
本年度の一般会計予算で見ると、市民税3億7,200万円の増額、所得譲与税2億4,710万円の減額、減税補填特別交付金1億527万円の減額などとなっています。
しかし、朝来市では税源移譲による影響は設計どおり余り無く、むしろ定率減税の撤廃による影響が大きいと思いますが、市長の見解を伺います。
市 長
本年度の市民税の増額要因は、定率減税の撤廃がその全てではないが、一つの要因と考えている。
定率減税による影響は、平成18年度課税実績を元にして試算すると約6,200万円程度となる。
能 見
今年度から人口と面積を基本とする新型交付税が導入されます。 総務省の試算では、30%の自治体で地方交付税が減額となるが、幸い本市では4,600万円の増額となっています。
この新型交付税の影響をどのように見積っているかお尋ねします。
市 長
試算で朝来市では若干の減額の予想でしたが、国の調整の結果、国の試算で4,600万円の増額になっています。
これは18年度の基礎数値による仮試算であり、自動的に19年度の交付税の増額につながるとは考えていません。
能 見
政府は地方交付税及び臨時財政対策債を抑制する方針を取っており、その影響で朝来市では地方交付税と臨時財政対策債は別表のように毎年減額しています。
しかし、第1次総合計画の実施計画の最後にある財政計画では、合併優遇措置が切れ、減額が見込まれる28年度を除き、19年度から27年度まで地方交付税64億4,500万円、臨時財政対策債5億6,300万円と一定額で見積られている。 この点について問題が無いか伺います。
[別表]
地方交付税と臨時財政対策債の推移(単位:万円)
年度 |
地方交付税 |
臨時財政対策債 |
17 |
68億8,600 |
6億8,870 |
18 |
66億1,100 |
6億2,780 |
19 |
63億1,300 |
5億6,320 |
(* 19年度は予算段階)
市 長
財政計画の定額措置は、結論から言うと大丈夫ということです。
地方が国に準じた歳出の削減に努めた場合、国は地方交付税の法定率を堅持し、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税等の一般財源を確保すると言っている。 その背景は、平成17年度から少しずつ見られる景気回復が本格化し、19年度以降の国税収入等は確実に50兆円以上と見込める経済情勢になったからです。
国税収入が当初で46兆円の平成18年度の地方交付税は66億9,000万円(普通交付税55億8千万円、特別交付税10億1千万円)でした。 そこで、19年度は国が国税収入等が確実に50兆円を見込めると言っていることから、朝来市の地方交付税の交付額が18年度を大幅に下回ることは無いと判断しました。
しかし、税源移譲、合併による特殊要因などの減額要因と国税収入の増加、合併特例債等の発行による交付税算入額等の増加要因を加味し、19年度の普通交付税55億円、特別交付税約9億5千万円と試算しました。
19年度以降は国税収入の増加が見込まれるが、交付税の算定方式の改正がなされる状況にあることから、過大な見込みをしないで、19年度以降同額と計画しました。
能 見
国は全体として社会保障費、人件費、公共投資その他が、自然体で行くと23年度に128兆2千億円となる。 それを14兆3千億円から11兆4千億円程度削減する計画です。 地方の歳出も厳しく抑制する方針です。
朝来市の財政実施計画あるいは第1次総合計画の実施計画は、この削減目標をどう評価して策定されているか伺います。
次に、南但ごみ処理施設は総事業費80億円、養父市と折半としてその半額、新庁舎建設は19、20年度で事業費約20億円となっている。
これらは合併特例債を使うわけであり、実施計画の28年度以降、合併優遇措置が無くなり、地方交付税が減額する時期の後年度負担として残るが、その点をどのように考えているか伺います。
市 長
骨太方針2006において、行財政改革の目標を、経費で14.3兆円から11.4兆円程度、率にすると大体13%から10%程度の削減としており、国と地方が単純に折半して取り組むことで、地方は19年度以降5年間で7%から5%程度の歳出の削減を図ることになる。
朝来市の歳出経費の削減目標額や削減率は、この数値を十分クリアーするものとなっている。
ごみ処理施設、新庁舎建設は、本市の財政計画で進めるなら、20年度に実質公債比率が19.2%とピークになるが、その後は低減して行き、十分に現在の計画で乗り切れると考えている。
平成28年度以降についても、実質公債比率は右肩下がりで低減し、合併による優遇措置経過後も十分な対応が可能と考えている。
能 見
もう一つ気になるのは、経常収支比率の問題です。 この財政計画の表の義務的固定経費を歳入合計で割った比をとると、19年度からほぼ低減し、26年度88.2%、27年度85.8%となるが、28年度は86.4%と増加に転じています。 実質公債比率は低減していくので、公債発行など国との関係は問題が無くても、財政の硬直化という問題が28年度以降に起きるのでないかと懸念するわけですが市長のお考えは?
市 長
庁舎の件は、担当課で検討を加えており、今後専門家を含めた委員会等を設置し、議論を進める。 21年度までの事業費は約20億円であるが、後年度に相当額の予算を計上する予定です。
その場所は、合併協定を踏まえて検討するが、基本的に312号線のインターから9号線までの312号線沿線あたりが新市の都市形成で適切と考え、そういう方向でいろいろ検討を進めています。
(注)経常収支比率に関する質問には時間切れで市長の正式な答弁を得られませんでした。 時間外の答弁で、全く否定しきれない旨の発言がありました。
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