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最終更新日:2008/01/20
 
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議会報告 No.17-3(2008/01/20)

市議会12月定例会一般質問
「朝来市の限界集落の再生について」質疑応答全文(2/5)

生野町黒川地区をケーススタディとして(1)
黒川地区の現状と地域活性化への取り組み

能 見

ここでは黒川地区を実質的な限界集落であって、そしたら、いわゆる集落の維持機能、そういうのが無くなってるかと言うとそういう意味ではないんですけど、年齢的に言うとそういう集落であって、人口的にもそれ相当の規模がある。つまり、竹原野が今上げられましたけれども、白口とか菖蒲沢というのは非常に人口が少なくて、そういう限界集落の代表として取り上げるには少し相応しくないかなということもあって、黒川という集落を取り上げさせてもらおうというふうに思うわけです。

ただ、黒川の例を少し挙げますと、世帯数が35で、そして人口は85名。男が43で女が42という。これは10月31日現在で調べてますので、11月末の数字が出てるんですけども、それとは若干違うかもしれません。その時点で65歳以上の高齢者が52名で、高齢化率が61.18%。限界集落というのに更に細分化がありまして、これが高齢化率が50%以上が第1、60%以上が第2、それから70%以上になると第3と限界集落の段階を分けて研究されてるようですけれども、そういう意味では黒川においては第2段階、限界集落においても年齢的には第2段階になってるということが言えます。

限界集落というのは、最終的には老夫婦の世帯が増加し、そして更には独居の世帯が増加し、そして消滅集落へ向かっていくというのが、この研究者の研究事例ではそういうふうになっていますが、実際には黒川においてはそれほどそういう、いわゆる限界化というのは進んでいないというふうに思います。65歳以上で独居世帯というのは4世帯だけのようですから、そういう意味ではそんなに進んでる、第2ステージに入ってるというふうには思えないわけですけども、そういう状況に今なっています。

こういうところで、ただ、黒川というふうに行政区としては1つで捉えるんですけれども、ここは今5つの村に分れています。簾野、梅ヶ畑、長野、大外、それと本村というふうに分かれています。簾野が大きくて10世帯、多分そうだと思いますけれども、あと梅ヶ畑が3、長野が2、それから大外が4、それから本村が多分15になると思いますけれども、その梅ヶ畑と長野の手前に高路というところが有ったんですが、ここはもうゼロになって消滅してるという、そういう状況になってる。そういう35世帯なんですね。

この黒川がこういうふうなやはり限界集落になってきたということには、1960年以降の燃料革命ですね、まき、炭からいわゆるガス、灯油へ変換していったということが一番の原因で、これはもう各地の山村の限界集落の原因になってるわけですが、その燃料革命と、それから外材依存ですね、米ツガとか米松とかラワンとか北洋エゾマツ、こういうものの輸入によって国産の木材が圧迫されると、林業が圧迫され、1960年代が木材自給率が80%といわれてますが、これが現在はもう30%を切り込んで減ってしまってるという。そういうことによって木材価格の下落、それからそういうことに伴う林業の崩壊ということが一番の原因だろうと思いますけれども、それに加えてこの地域、この独特な原因としてはやはり上生野ダムとかこれの建設による集落の孤立化、或は黒川ダム建設による山林面積の減少、そういったこともその影響にあるだろうと。或は生野鉱山の閉山というのも一つの原因かもしれませんが。そういうことでこういう限界集落化の道を辿ってきてるわけですけれども、それに対して黒川の住民の方たちは黒川あそぼ会を結成されたりしながら、常に活性化ということに意を用いてこられたわけです。平成18年の4月にはNPO法人の地域再生研究センターの協力を得て黒川地域活性化協議会を設立され、元気で住みよい地域づくりを推進することを目的として活動を展開されてるという状況です。その活動は今日も継続もちろんされているわけで、そしてその活動には近年、日本ハンザキ研究所や神戸動植物環境専門学校などが関ってきています。

こういうことを通じて黒川の活性化に村の人々が取り組まれているわけですけれども、もちろんこの中にもいろんな問題があります。先程申しましたように村が5つに分れてるということでなかなか一体感を作りにくい問題とか、或はこの運動について意思統一は難しいといったような問題も有るというのが現状ですが、そういう中でこういう取り組みを市長はどのように評価され、今後支援されようか、その点をお伺いしたいと思います。

市 長

限界集落という表現はあまり私も好きではないんですが、その一つの例として黒川の問題について今縷縷ご説明、ご意見を頂戴をしたところでございます。比較的黒川地域は山紫水明と言いましょうか、大自然の中、標高も相当高い。通常の日常的な感覚から言うと、少し違ったそういう雰囲気のする場所でございまして、尚且つ今いろいろとお話ございましたようにいろんな資源がたくさん有る。 こんな状況にございます。

そういった中で、黒川地域の皆さんが大変ご熱心な皆さんが多うございますし、皆さんの熱心な取り組みの中で黒川地域の活性化協議会というものが結成をされました。これは昨年の4月に結成されたものでございまして、先程その活動の一端についてお話しがございましたが、一つの集落で、こういうちっちゃな集落で取り組まれる活動としては、私は本当に私共が考える以上に大変な、活発な活動展開をされているなというふうに今考えるところでございます。

そういった中で、その基本的な考え方は黒川地域をいかに活性化をするか、集落を再生するか、多自然型の住居地域の形成につなげていくか。こんなことが主眼でございまして、そういう意味では、今、黒川小、中学校の跡地利用というふうな事にも焦点を当てていろいろと計画をして頂いておるところでございまして、そういった取り組みについては非常に私共も注目をしているところでございます。特に黒川小、中学校を中心としますハンザキ研究所によりますオオサンショウウオの調査研究、公開見学会、また市内及び市外各地の小、中学校の自然環境学習やイベントに関っておられ、黒川地域を初め朝来市、兵庫県等に広く貢献をされておるところでございます。

先程もお話しございました神戸動植物環境専門学校の活動につきましても、昨年6月から黒川地域に入って来られまして、これも夏場はテントで、そして冬場になりますと民宿を借りてのこういう学習のフィールドとして多くの生徒さんが入ってきておられる。そういう状況を今創り出されてきたというふうなことでございまして、こういった多くの皆さんが地域イベント等にもいろんな意味で協賛、参加をされる。そんな状況が生まれつつあるというふうなことでございます。そして、そのことがひいては農山村、黒川地域におきます空き家の再利用、活用、こういうことにも繋がっていったり、セカンドハウス村の利用促進になったり、こういうことに繋がって行くんではないかなというふうに考えるところでありまして、この黒川地域活性化協議会の活動については、そういう面では取り組みを頂いているご苦労もさることながら、大変高く評価をさせて頂いて、今後の活動に大いに期待をしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

能 見

こういった活動、地域でやられてるわけですけども、やはり地域だけでやり切れないところ、先程から地域活性化協議会の中でこういう問題に取り組んでいくということを、市長は前の他の方の一般質問、或は今回にもそういうお考えを持っておられるようで、そのように仰っていますが、ただ、それだけではやはりいけない部分、これはやはり補完性の原理というのは言われてましたけども、やはりその地域が取り組むと同時に行政とかそういうところができない部分は援助していくという、そういうことで初めて成り立っていくというところがありますので、是非こういう活動に対する支援の方を、ひとつ、よろしくお願いしたいということで、次の話へ行かせて頂きます。

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