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最終更新日:2008/01/20
 
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議会報告 No.17-4(2008/01/20)

市議会12月定例会一般質問
「朝来市の限界集落の再生について」質疑応答全文(2/5)

生野町黒川地区をケーススタディとして(2)
黒川地区の農業、林業、観光業の現状と将来への展望

能 見

次に、こういうふうな活動が有るわけですけども、黒川のそのほかの産業といいますか、そういったものの現状がどうなっているかという問題です。

一応、農業、林業、観光というふうに書いてるわけですけれども、林業においては黒川地区で森林面積は2,605.8ヘクタールです。これ生野の森林面積が9,973.1ヘクタールですから26.1%を占めています。そして人工林については1,904ヘクタール。生野全体で7,099.0ヘクタールでその26.8%を占めてるというふうな状況で、かなりの森林、しかも人工林が有るという状況ですが、そういう状況ですけれども、実際林業がそんなに盛んにできてるかと言うと、必ずしもそういう状況ではないというふうに思います。

それから、農業について。農地ですが、田んぼの方が19.5ヘクタールで、畑が4.5ヘクタールで計24ヘクタールという非常に少ない状況なので、このような産業でそう大きな収益が今のところ得られてないというのが現状でないかと思いますけれども。

それから、観光については、黒川温泉が3万5千人ぐらい年間入園者と言いますか、入浴者と言いますか。それから黒川自然公園センターが9,500人などとなっていて、かなりのそういいう観光客は見えてるという状況になってますが、その辺りについて現状どういう位置付けを黒川の中で占めてるか、その辺りの市長のお考えをお聞きしたいというふうに思うわけです。

市 長

生野、黒川地区の農業、林業、観光業、こういったことの現状についてというご質問でございます。

いろいろとそれぞれの分野におきます現状について、能見議員の方からお話がございましたので、私からもう重複を避けたいというふうに思いますけれども、黒川地域は播但道を生野インターから429号線を経て約30分の遠距離に位置をしておる。標高が大体450から500メーターの山間の集落というふうなことでございますし、中国山脈に囲まれた水と緑の自然の豊な場所であるということであります。農地は大変狭く不整形な農地が多く、周囲を山に囲まれているため日照が悪い、耕作には条件が不利であるというふうなことと、また冬季は相当積雪があるということでございまして、作物栽培には非常に条件不利であるということでございます。

更に、これに加えまして日本の農作物の低迷といいましょうか、こういったことで大変厳しい状況にあるということでございますけれども、生野地域においては黒川は一定ある程度集中した農地のある地域でございまして、平成19年度から5ヵ年事業で農地・水・環境保全向上対策事業が展開をされておりまして、この事業は地域共同活動への新たな支援として国、県、朝来市が過疎化、高齢化及び集落機能の低下の見られる地域において農地の担い手の確保や農業資源の保全管理を目的として集落への取り組みを推進しておるところでございます。この事業の取り組みには農村環境向上活動等の内容も盛り込まれておりまして、動植物の生態系の調査、保全活動も取り組むことができるようになっております。

黒川地区におきましてもこの事業への取り組みを積極的に推進をしておりますけれども、現状ではまだまだこれからというところでございまして、今後も担当課を中心に一層こういった取り組みが進むように頑張っていきたいというふうに思っております。

また、林業は今お話ございましたように大変広大な面積と人工林を有しておる。黒川地域はまた、特にその材質も非常に良いというこういう特徴がございますが、その材はほとんどが杉と檜の用材木でございまして、植栽後35年以上経過をしておる。もう既に伐期に来ているそういう林齢でございますけれども、なかなか木材価格の低迷というふうなことで伐期の延長を余儀なくされているという現状にございます。これらに伴います林道、作業道、こういったことの整備によって森林の荒廃を防ぐ、なおかつ効率的な林業経営というふうなことから、林道、作業道の整備も可能か限り促進を旧生野町の時代から進められてきておりまして、これらの林道密度につきましてもヘクタール当り2.2メーター、作業道の密度はヘクタール当り2.9メーター、林道と作業道合わせましてヘクタール5.1メーターというふうなことでございます。

兵庫県では、県内の平成22年度の目標路網密度を8.0というふうにしておりまして、旧生野町では県営の森林幹線道千ヶ峰・三国岳の開設事業を国道429号線を起点として昨年度から開始をされたというふうなことでございまして、これらの林道路網整備の密度も徐々に上がってくるんではないかなというふうに考えておるところであります。

観光でございますが、先程お話しございましたように、この地域は極めて立地条件からして不利な地域でありますけれども、観光資源が他と比べてたくさんございます。黒川温泉、これは先程お話ございましたように約3万5千人、黒川自然公園センターが9千人、魚ヶ滝荘が1万3千人、それからアンコウミュージアムが実績からいいますと約2千人近い方、セカンドハウス村も相当数入り込みがある。また、黒川ダムに対しましても相当数の入り込みがある。こういう大変恵まれた地域ではあります。

そして、生野はご案内のように数多くの産業遺産、史跡が残る所でございまして、史跡生野銀山、銀山湖を経て黒川渓谷、そして黒川ダム、更には青倉神社、発電所、朝来の美術館へつながるこういう一つの一大観光ルートにもなっておるところでございまして、黒川の魅力というのは非常にこれから貴重な存在になるのではないかと。そういう思いがしておるところでございまして、そういう意味で今後この黒川地域の活性化協議会等を中心とするいろんな取り組みに大いに期待を申し上げると共に、その活動の支援ということも大変重要な課題であるというふうに考えております。

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