議会報告 No.17-6(2008/01/20)
市議会12月定例会一般質問
「朝来市の限界集落の再生について」質疑応答全文(5/5)
生野町黒川地区をケーススタディとして(4)
限界集落の再生の一助として林業の振興を
能 見
先程も申しましたように、やはり黒川のこのこういった高齢化の問題、これはやはり日本の森林政策の結果したところが大きいだろうと思います。やはりこの外材輸入によって荒廃の一途をたどってきた。だけれども、最近はやはり森林保護の問題、自然破壊阻止の観点或は資源の枯渇、こういったことで外材輸入というのはそう今までのようにいかないという状況。また、地球温暖化対策から森林が見直されるといったような社会的な条件も整い、林業に少しずつ光明が見えてきているのかなという状況だと思います。
それで、やはり他所のこういう山村の取り組みを見てみると、森林の再生、この林業の再生がやはり中心に据えられてるのではないかなと。高知県の方でもかなり株式会社化とか或は公社化等によって林業の基盤整備を行なうと共に、機械化、それから雇用形態を今までの日雇い制から定雇いですね、普通の給与体系で雇うという形にすることによって若者を呼び込んでると。高知の方でも第三セクターの“土佐れいほく”なんかは15人ぐらい居るんですよね。平均年齢が32歳とかいうふうなことも新聞に出てました。
それで、清風会と公明党で11月の26日に京都府の南丹市の日吉町の森林組合に視察に行きました。その時の内容は、そこの森林組合が管理している森林面積は4,100ヘクタールほどです。それで非常に作業道或は林道を建設に力を入れて、そしてその作業効率を上げるということで経営を図ってると。職員数が21で参事が1、それから事業課が18名、総務2と。事業課の内、山林整備が13名、森林技術者が5名ということですが、この辺りは全部給料制で雇ってると。ここは平均年齢が34歳ということで、この若者は地域の人がほとんどいなくて全部京阪神からきた人がほとんど。そういうことで、若い人を使って林業の復活をしてると。これについては、機械化というのは結局林道、路網率が40メーターと言ってましたから、自分ところがやってる所ですね、かなりの路網率になってます。それで機械化を徹底してるということで、その搬出量を非常に増やして生産コストを下げて、そういうことで補助金と搬出した木材を市場へ出す部分、それから杉の合板に出す部分、それからチップに出す部分というので、持ってきた土場で全部分けてしまって、それで搬送していくというようなシステムを採っています。そういうことで、年間3億4千万円ほどの取扱高ということで、施業面積は年間300ヘクタールというふうな、そういうことでやってる一つの例ですが、こういった例、これが総て朝来市とか黒川で、或は生野町とかいろんな森林組合の所で全部が全部できるとは限りませんけれども、やはりそういう機械化等を入れて森林を開発するという。
これは、但し、今までと経営の一番基本的に違うところは、今まで森林は50年60年経つと皆伐して木を売ってたんですけども、ここは収益間伐。だから10年ごとにずっと切っていくということで、間伐したものを全部売ってそれで収益を得ていくという、そういう経営形態がもう根本的に違う。そういうことは森林組合の方もかなり知ってるようですけれども、そういう方向に次第に森林の経営というのも変わっていくということで、そういう方向に次第に森林の経営というものも変わってくるということで、そういうことも頭に入れて頂いて、ひとつこういう森林、林業の再生ということを取り組んでいく必要があるんでないかなというふうに思いますけれども、市長のご意見ありましたらお願いしたいと思います。
市 長
森林経営については、大変厳しい環境下にございます。と言うのも、ほとんど民有林が大変零細な経営規模であるということでございますし、ある意味で、今、先進地事例としてお話ございました南丹市日吉の関係等も本当に良い例として参考にしながら、やはりこの地域資源の山林の整備をしていく。経営の一つの基盤として整備をしていく。このことが大変重要であるというふうに思います。
但馬におきましても森林組合の統合ということがどんどん進んでおりますが、いずれも統合しました組合においては非常に積極的山林経営に転換をして、非常に積極的な経営がされておるということであります。朝来市内まだ合併ができずに、それぞれ個別4森林組合があるわけでありますが、いろんな意味で国なり県、市のいろんな制度、取り組みによってなんとか経営がされておるというところでありますが、戦略的に本当に山を将来にわたって整備をして儲かる林業経営をやっていこうというところにはまだまだ至らない。今それだけの経営基盤がないという、そういう状況ではないか。どちらかと言うと守りのような状況にも入っているとも言えないでも、そういうふうな表現、少し表現は悪うございますけれども、そういう状況になきにしもあらずというふうなことでございます。
やっぱり今能見議員が仰るように、これからやっぱり可能性は大きいということもございます。やはり手をしっかり入れていかないと良い木は育ちません。このことをしっかりと受けとめて、ある意味で基盤のしっかりしたやはり経営母体としての森林組合の統一、合併、こんなことも本当に喫緊の課題としてあるんではないかなと。そんな思いがするところでございますので、今後林業行政を展開する上で、そういった問題について関係者の皆さんと十分なるやはり合意形成もしていく必要があろうというふうに思っておる次第でございます。
能 見
この限界集落というのはいろんなタイプのもの、町内のものは町内のもので別の方法が要ると思います。
そういう意味で是非そのプロジェクト等なりを創り、行政としてもどう取り組むかということを考えていただきたいというふうに思います。
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