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最終更新日:2008/03/28
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議会報告 No.18-4(2008/03/26)

市議会3月定例会一般質問
「芸術文化活動の促進事業について」質疑応答全文(3/5)

具体的な活動について(1) 芸術の森大賞展

能 見

こういう芸術とか文化というのは、朝来市民が豊に暮らしていくという上でなくてはならない、生きる意味というか、価値がそこにあるという、そういう全般的なお話しを今いただいたわけですが、そこで、芸術文化活動といっても非常に範囲が広いわけで、今回は、先ほど申しましたように、創造的な問題にかかわっている個々の事業についてお尋ねしたいというふうに思います。

まず、芸術の森大賞展についてお尋ねしますけれども、平成19年度で6回目となりました芸術の森大賞展は、旧朝来町の事業を引き継いだものであり、若手の芸術家の作品を年度によって、立体と平面と、分野を限って公募するものですが、この事業の目的とかその効果等について、どのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。

市 長

あさご芸術の森大賞展でございますが、今お話ございましたように、これは旧朝来町が1億ふるさと創生事業の一つとして行なったものでございまして、平成6年の但馬・理想の都の祭典を契機としまして、あさご芸術の森公園整備に伴い野外施設の彫刻を公募する「朝来2001野外彫刻展in多々良木」に端を発するものでございます。関西電力によりまして整備をいただきました美術館、平成11年にオープンをいたしました。朝来出身の彫刻家、淀井敏夫氏を顕彰する彫刻の公募展、あさご芸術の森大賞展と発展をしてきたところでございます。

朝来20001野外彫刻展を8年実施いたしまして、それ以降、このあさご芸術の森大賞展に引き継ぎましたから、都合14回目というふうなことになります。

合併後は絵画の、先程申し上げました生野の三巨匠などを輩出しておる、そういうふうなことで、更なる朝来の芸術の森大賞展を発展させていくために、彫刻である立体と、そして平面というふうなことで、交互に隔年で実施をいたしますビエンナーレ形式で実施をさせていただいておるということでありまして、大賞、準大賞については美術館が買上をして、朝来市内のいろんな公的な空間に設置をして、豊なまちづくりを形成していく一つのものと、拠り所としよう、そんなことであります。生野町で開催をされておりました生野町美術展とあさご芸術の森大賞展を合体させたものでございます。

こういった公募展で優秀な成績を得ました作家は、その後、他の公募展でも大賞を受賞をしたり、文化庁の海外派遣の芸術家になったり、そういったことで、国内外で大変活躍をされておるところでありますし、平成20年度の兵庫県の中学生の美術資料には、姫路駅前に設置をされております淀井敏夫氏の作品をはじめといたしまして、あさご芸術の森美術館として、本市の彫刻家藤本イサム氏の作品、また、本市に作品を所蔵いたします牛尾啓三氏の作品、また、和田山駅前や多々良木の芸術の森美術館の中に作品を設置いたします植松奎二氏の、これらの作品が兵庫県中学生美術資料に紹介をされておりまして、兵庫県の美術史の一角を朝来市が担っておるというふうに言っても過言ではないというふうに思います。

また、公募展は、朝来は彫刻の公募展を開催している元気な町として、朝来のみならず世界へ発信をしているということはご案内の通りでございまして、特に本年実施しました第6回のあさご芸術の森大賞展では、初めて女性が大賞作家になったというふうなことでございまして、非常に話題に上がったことは記憶に新しいところでございます。

このように、あさご芸術の森大賞展を実施することによって、ある意味で一つのちっちゃな動き、活動であっても、そのことが国内外に大きく情報を発信することができ、これからの朝来市のある意味で成熟したまちづくりに大いに役立っていくのではないかなと、そんな期待を込めての事業実施でございます。

能 見

こういう公募展を通じて、やはり地方自治体が内政だけに係わるのではなくて、芸術を通じて市の外部と交流して、そのことによって市民生活を活性化していくということは非常に効果のあることだというふうに私も思うわけですけども、少し具体的に言いますと、この大賞展に参加された作家の方々が各方面でその後活躍されてるというお話しがあったわけですけれども、室内の立体を扱いだした平成14年の頃から、大体応募点数が80点から90点げらいで推移してるというふうに思います。去年ですか、平成18年の第5回は平面で絵画等が中心だったんですが、この時は225点というふうになってますけれども、それ以外はずっとそういう立体で応募点数は70から90あたりということです。

そして、この公募展の一つの狙いというのは、もちろんベテランの方を排しているわけではないですけれども、若い芸術家の登竜門というふうな狙いもあって、大賞を受賞された人の年齢を見てますと、平成14年で34歳、その次で43歳、その次47歳、25歳、その次絵画のところへ行って40歳になって、先程話しが出ていました今年の6回、女性の方が24歳というふうに、非常に立体の方ではかなり若い方が出て、その後、そういうふうに活躍されているということが見て取れます。20年度はまた平面の方に戻りますからそれがどうなるか、ちょっと楽しみにしてるわけですけども、そういう若手を育てるという、そういう意味があります。

それから、全国の都道府県についても大体21ぐらいから27府県ぐらい、これは立体の時で、絵画の時には35府県というふうな広がりを見せてるということで、かなり浸透してきてるんでないかなというふうには思うわけです。ただ、この問題で、今年度の審査員の一人の方が、この展覧会も本年で6回を迎え分岐点に差し掛かっている気がすると、彫刻の世界の登竜門として今後も新進気鋭の挑戦者を期待したいというふうに述べられていますけれども、これは出品者が、ベテランの方が、前に大賞を受賞された方がまた応募されるとかいうふうなことも含んでいるのかなというふうにも考えたりするんですが、今後の展覧会、公募展ですね、これの見通しについて何かお考えが有りましたらお願いしたいと思います。

市 長

今お話しございましたように、平成の6年ぐらいから全国、立体の公募展を取り組みをいたしまして、公募展はマケットと言いまして、一定の高さと幅と奥行の長さを1m50と1m50以内のマケットを作って現物で審査をするという、そういうことを8年間やりましたが、大体200点以上もの大変なボリュームのものが集まる大変盛会な、日本でもトップクラスの公募展でございました。そういったのを8年間務めてまいりまして、今回、あさご芸術の森大賞展に移行する段階で少し方法論を改めて実施を始めたところでありますが、そういった中で少し大賞が、今お話しございますように日本のトップクラスの彫刻家ももちろんでありますが、排除するわけではありませんけれども、今回の大賞展はある意味でもう少し対象を広げた、若手の登竜門、そういうふうなことを位置付けて進めるというふうなことになりまして、また、時代が、先程来お話がありますように、地方自治体の大変厳しい財政状況下から大賞賞金を3分の1ぐらいに下げました。

全国的にもそういう、今、時代的背景の中でこういう公が実施をいたします公募展も大変厳しい時代を迎えておりまして、非常に出展数が少なくなっているというのが実情であります。しかしながら、朝来の場合は全国的に非常に知名度が高く、懸命に応募していただいて、頑張っていただいているという実態にあるというふうに思います。 こういうことは一定年限、だらだらと10何年も単位でやるということではなくて、大体8年ぐらいが一つの目安かなという、こういう考え方のもとに8年をやって、今度新たな6年目ですから、これも8年ぐらいを目途にして、更にいろんな工夫を加えて展開を、発展をさせていくということがこれからの姿ではないかなと。

ただ、ここ数年前からビエンナーレということで平面もやり始めましたから、そういう意味での新鮮さは有るということであります。平面は、ご案内のように、日本の場合平面に慣れ親しむと言いましょうか、そういう平面を制作される方が非常に多うございますから、平面の場合は非常に出展数が多いと、こういうことになろうというふうに思います。これらのビエンナーレを暫らく継続をしながら、新たな次の展開を考えていく、そういう考え方で進めたいというふうに思っております。

能 見

この話しは最後にしたいんですけど、平面の場合はやはり作品も多いし、また出展者の年齢も高いという、そういう点もありますので、その辺りビエンナーレとしてやっていくのに一つの課題かなというふうに思いますが、この件はそれぐらいにして、次の朝展の方へ質問を移らせていただきたいと思います。

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