議会報告 No.21-3(2008/10/05)
朝来市議会第22回(平成20年9月)定例会一般質問
「水利権と文化的景観の指定について」質疑応答全文(2/5)
水利権問題について
生野ダム水路改修に伴う発電水利権の活用について
能 見
次の問題は、現在約7万トンの水利権を利用して三菱マテリアルは送水を行なっているが、約6万トンが発電水利権として三菱マテリアルに認められてきている。そういう権利ですが、三菱マテリアルとしては、この水利権を返上する計画と聞いています。旧生野町は昔から水源の町と言われていますが、水利権がないということで、いろいろと過去の人達が苦労してきた経過もあります。そういうことで、6万トンの発電水利権をできることなら朝来市として受け継いで、クリーンなエネルギーである水力発電を市として行なうべきでないか。これは朝来市が環境立市を目指しているわけですから、その意味において朝来市の立場をPRする重要な施策になると考えて、もちろん発電量に伴う費用対効果の問題があるが、こういう小規模水力発電については、NEDOの方の補助金が50%あると聞いています。それから合併特例債等を使えば70%の補助があると。そういうことを考えると、約15%の実質的な負担ということになり建設費が1億円としたら1,500万円ぐらいになると思います。現在、生野支所を中心にいろいろ検討はされているようですが、その件について市長のお考えを伺います。
市 長
今回の水路改修工事に伴い、現在三菱マテリアルが水利権として保有している発電用水利権は、日量6万2,380トンあり、その水利権を会社としては放棄する考えであると伺いました。しかし、朝来市が発電用水利権の譲渡を希望するなら、三菱は朝来市にその水利権を譲渡してもよいとの申し出も頂戴しまして、私もこの話を聞いたときに、直感的に水利権を確保すべきと判断しました。そのため、これらを鋭意検討しながら、現在その水利権の譲渡を受けるための法的手段や、そのメリット等について調査研究をしていますが、市川は二級河川ですので、一般的には水利権の許認可は県協議ですが、発電用の水利権は特定水利ということで国土交通大臣の同意が必要となります。許認可権限は国土交通省にあります。
現在、県や国の指導を受けていますが、発電用水としての権利の譲渡を受ける場合は、まず発電用水としての利活用を考える必要があります。何も目的なしでこの水利権の確保はできません。従がって、発電用水としての利活用を考える必要があり、そのために現在、発電所の建設位置について、また発電量、発電後の電力の利用、そして発電所建設の財源、収支計画についての計画を、今整備しております。そこで、これまで生野ダムや関西電力等の協力を得ながら、これらの資料の整理と書類の作成に努めていますが、その検討結果を踏まえて、市として、この発電用水利権の譲渡を受けるか、最終的な判断をしたいと考えております。
しかし、一般的に新たな水利権を取得することはもう困難ですから、まず不可能ですから、そのため朝来市としては市川上流でどのような権利の水利権であれ、河川水を利用し得る権利を取得しておくことは将来的にも有益であろうと考え、現在、あらゆることを想定し、この水利権を確保するか慎重に検討をしておりまして、これらについて、ほぼ年内に一定の結論を出す必要があるということで、鋭意取り組んでいる次第ですので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
能 見
こういう、事業所から自治体が水利権を譲渡されるということは今までほとんど例がなく、検討に時間を要すると思いますが、是非これは、いろんな意味で、水利権は放棄してしまえば再びそれを得ることはまず不可能なものですから、いろんな利活用、電力の利活用の問題もあると思いますが、その辺、ここでは余りそういうことまで議論する時間はないですが、是非その点も含めて十分検討して戴いて、この水利権の確保に向けてお願いしておきたいと思います。
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