議会報告 No.21-5(2008/10/05)
朝来市議会第22回(平成20年9月)定例会一般質問
「水利権と文化的景観の指定について」質疑応答全文(4/5)
水利権問題について
与布土ダム水利権の利用について
能 見
次は、与布土ダムの水利権利用についてですが、与布土ダムは現在建設に向けて取り組まれていますが、建設費が1,200億円で、その2.3%の2億7,600万円を市が負担すると…、間違っているかもしれませんが……(「120億円」と叫ぶ者あり)120億円ですね。間違ってる。120億円の2.3%ですね。そういう負担で、水道水利権として2,450トンを得るわけですが、この与布土ダムの水利権の利用はどのようになっているか、まずお尋ねします。
市 長
与布土ダムにつきましては、水害を防ぐための治水機能と、生活用水や、河川が持っている豊な水環境を保全するための利水機能を併せ持ったダムとして、兵庫県が国から補助を受けて、平成26年4月供用開始を目指して事業を進めております。
平成10年の11月、旧山東町と兵庫県の間におきまして、ダムから水道水を1日2,450トン、工事費の負担割合は2.3%とするという、与布土川総合開発事業与布土ダム建設工事に関する基本協定を締結しまして、合併後、朝来市は共同事業者として事業に参加することを継承しております。
与布土ダムの貯水規模は、総貯水容量は108万立方メートルです。有効貯水容量は92万立方メートルで、その内治水容量が35万立方メートル、利水容量が57万立方メートルです。また、利水容量の内、水道のための貯水容量は12万立方メートル、農業や河川維持のための貯水容量は45万立方メートルとなっております。朝来市が与布土ダムから水道水として取水できる許可水利権は、水道事業経営許可により許可を受けております1日2,450立方メートルとなっております。以上でございます。
能 見
与布土ダムの建設において、治水と利水ということで水の用途が決められていて、これを変えることは無理ですが、問題は朝来市が今、工場或は工業を誘致するという考え方を持っていて、工業団地とか工場進出を図るためには、工業用水の確保が大きな問題になると思います。工業用水については、現在生野工業団地の1,200トン分しかない。実際に使用されているのは600トンぐらいで、少しまだ生野工業団地については有りますが、和田山の工業団地には、これは工業用水ではなく水道そのものから工業用水として水が供給されているといいますか、利用されています。工業用水をどう確保するかということは、やはり大きな問題ではないかと日頃から考えていまして、この与布土ダムは26年になると上水の給水等が始まり、その後、現在山東町方面にある4つの水源、与布土、梁瀬、滝田、粟鹿は規模を縮小したり、或は順次廃止する計画と聞いてます。
しかし、これの下流域であれば、この水利権を工業用水として確保していく道があるのではと考えます。そういう意味で、ただ単に廃止ということではなく、これをも利用を考えながら工業用水の創設というお考えがないか、お尋ねしたい。
市 長
与布土ダムにつきましては、現在進捗状況は19年度末で約37.3%、20年度末で40.6%という進捗状況で、平成26年完成ということで鋭意取り組んで戴いておりますが、この完成をみた際に、山東地域全域、また朝来市全域としての水の需給関係はどうなるかということであります。将来人口、少子高齢化ということもありまして、水利用は若干減少が予測されますが、朝来市が目指す兵庫県の中央の拠点都市としての人、物、金、こういったものが集まる一つの拠点化した都市をつくっていく上では、新たな水需要、特に企業誘致には水の確保は絶対条件でして、そういった意味での町づくりを進めるためには、水の安定確保が何よりも重要です。そういった意味で、現在、計画の与布土ダムからの水道の水利についても、効率的な施設の構築といった点から、老巧化し取水量が減少した水源等については、これを廃止をして与布土ダムからの取水をフルに活用した施設形態を考えております。また、与布土ダム事業については、水道水源開発等施設整備事業として、厚生労働省の補助を受けて実施している事業で、仮に将来、この水量に余裕が出たので工業用水に転用するということは、補助金適化法の建前上なかなか叶わない、できないので、市としては、既存の水源等の廃止に際して工業用水としての有効活用が図れるのではないか、その辺を総合的に判断しながら、十分に検討を加えていく必要があるという考えを持っております。
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